「食べる」を通して「顔の見える」関係を築きたい

かま屋通信

こんにちは、広報係の種本です。「広報係ってなにやっとるん?」と聞かれると、主にこの「かま屋通信」の編集、取材等の対応、「かまパン&ストア オンラインショップ」の運営を担当しています。今日は、今年4月末から本格スタートした「オンラインショップ」についてお話したいと思います。
姿の見えない、新型コロナウイルスに翻弄された今年の春。いつお店を休業しなければないかも分からない不安の中、自分たちのパンや加工品をつくり・届け続けられるように、売上を少しでも補填できるようにと、意を決して力を入れたのがインターネット販売でした。

お客さまと顔を合せて品物を手渡しする「対面販売」の経験はありますが、私自身、オンラインショップの運用は初めて。これだけ世間でオンライン販売が普及しているのに、漠然と「なんか無機質な感じ」「お客さまの顔が見えず怖い」「受注〜発送〜お届けまで起こり得るトラブルが数えきれない!」と、不安要素ばかり頭に浮かびんでいました。
実際に始めてみると、想像以上の反響。たくさんの方が(きっと応援の意味も込めて)注文をくださいました。(本当にありがとうございます!)こちらのミスでご迷惑をおかけしてしまったこともあったのですが、メールや電話を通してお客さまと話していると、まるで目の前にいるかのように言葉を交わすことができることも。オンラインで販売することへの認識が変化していきました。

フードハブが掲げる合言葉は「地産地食=地域で育て、地域で食べる」です。その意味では、遠方に商品を届けるオンライン販売は「地産地食」には当てはまりません。ではいったい何を届けたくてやっているのか。改めて自分に「オンラインショップを運営する意味」を問い直しました。

私たちは商品発送の際、過去に発行した「かま屋通信」を丸め、段ボール箱の隙間を埋める緩衝材として使っています。できるだけリサイクル素材で、丁寧に、かつ安全に輸送するためのものでしたが、ある時「緩衝材として入っているかま屋通信も、シワを伸ばして隈なく読んでいます!」という声をいただきました。

ご存知の通り、かま屋通信は「つくり手自身の言葉」を綴っています。この紙面の編集を担当している自分としては、できるだけ書いたメンバー本人の普段の口調や個性、熱量がそのまま伝わるように編集することを心がけています。シワシワな新聞をわざわざ丁寧に広げ、私たちの言葉を読んでくださっている。その方はきっと、遠くで売っているただの「食パン」とか「ドレッシング」ではなく、「かまパンの笹川が焼く食パン」、「加工の中野がつくるドレッシング」と思って食べてくださったのではないかと思うのです。届いているのはただの商品ではないのかも。販売担当としても、かま屋通信の編集担当としても胸が熱くなりました。

私はオンラインショップでも、「つくる人」「売る人」「買う人/食べる人」は、例えばパンを焼く「笹川さん」、販売をする「守田さん」、そして食べてくれる方もお名前で呼べる関係であれたらと思っています。直接顔を合わせたことがなくても、「食べる」を通じてそれぞれが「顔の見える人」として、親しみや心遣いを持って関わることができたらこんなに嬉しいことはありません。

まだ走り出したばかり。至らないところだらけのオンラインショップですが、食べる人・つくり手・つくり手の生み出すモノに支えてもらいながら、つくる人と食べる人をつなぎ、みんなが関係性を育める場所にしていけるよう、努力していきたいなと思っています。

この日誌を書いた人

種本 寛子

広報係
種本 寛子 (たねもとひろこ)

その他の活動

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