神山の阿波晩茶
~人の心がこもった物は、必ず隠し味がある〜

つくる神山の味

2018阿波晩茶づくり
2018阿波晩茶づくり

 かま屋料理人の中野です。

 前編では茶摘みから発酵する前までをお伝えした阿波晩茶作り。今回は、後編として樽詰めから天日干し、そして2回目の阿波晩茶製造の様子をお伝えします。

 樽詰めを終えた阿波晩茶は、ビニールハウスの一角をお借りして、約2週間寝かせます。漬け込みから3日後まで、表面に泡がぷくぷくと上がってきているのが確認出来ましたが、4日後からは落ち着いてきました。

 表面的にはあまり変化の無いまま、観察する事15日。漬け込んでいた阿波晩茶の水分が日に日に蒸発して減り、10㎝位量が減ったように感じます。

 17日目、表面が乾燥し始めてきた頃、翌日の天気(晴天)や、今後の天気(雨予報)を考慮して、明日干そう!と決めました。

干す前の阿波晩茶。

 樽詰め開始から18日目の朝6時、ビニールハウスの中の気温は33度。太陽も出てきてグングン気温が上がります。重たい漬物石をどかし、表面のカビを綺麗に取り除くと、中から甘い晩茶の香りが漂います。両手で少しづつ取り出し、ぎゅっと絞ってはブルーシートの上に広げる、地道な作業を汗だくで繰り返す事2時間。ようやく全ての茶葉を干し終わりました。

 午後、重なっている部分を丁寧にはがし、上下をひっくり返し、再び乾燥させます。

 今回、天日干しするのにハウスをお借りしたのは、風で茶葉が飛ばないようにと、カビの発生を防ぐ為になるべく早く、確実に乾かす事を目的としていたのですが、その甲斐あって、翌日にはほとんどの茶葉が乾いていました。夜露で少し湿っていた茶葉を、午後までしっかり乾燥させ、袋に入れて完成です!

 1回目の茶摘みで仕込んだ阿波晩茶は、炎天下の茶摘み1日、樽詰め半日、18日の発酵と2日間の天日干しを経て、米袋5.5袋分出来上がりました。

阿波晩茶

 カサカサと音を立て、手の中でほのかに香る阿波晩茶。手探りで不安の尽きない20日間でしたが、無事に完成した事で、苦労が報われた気がします。ご協力頂いた方々、本当にありがとうございました!

茶摘み後のお昼休憩。白桃家のみなさん、いつもありがとうございます!

 ホッとしたのも束の間、現在は2回目の阿波晩茶製造中です。茶畑の手入れから始まり、茶摘み、樽詰めまで、今の所順調に進んでいます。1回目の反省点を活かし、作業工程を見直したり、茶摘みが日陰で出来るように枝ごと刈り取ってみたり。決して楽な作業では無い分、自分たちの手で継続していく為にはどうしたら良いか、試行錯誤しています。

 一連の作業を終え、今感じている事は、機械化が進む時代を逆走する様なこの『手仕事』を、出来る限り大切にしたいという事です。人の心がこもった物は、必ず隠し味があると思います。神山の大地が育てた茶葉を、一枚一枚ひたすら手で摘む。気の遠くなる単調な作業の中で見た、家族の絆や、仲間の優しさ。手を動かしながら出てくる雑談は、昔の井戸端会議を連想させます。普段、かま屋のキッチンにいる時は気が付かない(気が付けない)、自然相手の仕事の大変さ。休憩の時に頂いたすいかに、塩をかけて食べる美味しさと意味、初めて身をもって体験しました。

塩のありがたさ。

差し入れでいただいた完熟トマト。これも塩をつけて。

 作ることで新たに芽生える『繋げたい』思い。来年も、再来年も真夏の蒸し暑さの中、フードハブが作る阿波晩茶が、様々な人の手で語り継がれていきますように。

阿波晩茶は ONLINE SHOP でお買い求めいただけます。>>こちらから。

この日誌を書いた人

中野公未

かま屋料理人
中野公未 (さとちゃん)

料理人。神奈川県出身。都心の居酒屋や定食屋を中心に働く。都会での生き方に疑問を抱き、移住を決意。神山の土地と人に引き寄せられフードハブへ。”今、ここ”でしか経験できない事を、楽しみながら吸収中。

その他の活動

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