ひと目で神山が好きなり、農業をはじめて3ヶ月
“so far so good.”

つなぐ農園

農業チームの朽木です。

生まれは富山県の田舎、射水の漁師町です。縁あって初めて神山を訪問した際に、不思議な興奮があり、帰ってからも仕事が手につきませんでした。きっと一目神山が好きになったんだと思います。

その後、1年ほど月1ペースで神山を訪れる中で、だんだんと神山で暮らしたいという想いが確かになり、2019年6月から神山で暮らし始めました。

そうは言っても、暮らすには飯を食う必要があり、生業として農業をしています。農作業はせこくても、美味しい野菜を造ろうと工夫することは面白いと感じています。前職は製品の開発職でしたので通じるものがありますが、一から十までやる農業の難易度は高く、その分だけ面白いです。神山での日々はあっという間に過ぎて、初日の麦刈入れが昨日のことのようです。暑さに順応できていなくて、水ばかり飲んでいたのを覚えています。

6月から働き始め、当面の目標である収穫を担当することには、慣れてきました。ただやはり、要の技術が少ないのはもどかしくて、カラカラのスポンジの様です。一通り収穫できるようになれば、よりきれいに、早く、正確に、が来ます。水菜が収穫できるようになると、研修生の松本さんが収穫した水菜の綺麗さに打たれて、次が見えます。それとは別に、ハウス野菜の外観(葉の形、色合い)や味の変化を把握できるようになりたいとも考えています。普段どれだけ意識して接しているかがきっと大切で、こちらもまだまだです。とにかく収穫のたびにむしゃむしゃと味をみているところです。

最近では、ハウスの水やりや育苗を覚えることが、目の前にぶら下がっています農業長のももさんについて水やりを見つつ、考え方を聞いています。水やりは変数(水分量、天候、気温、生育具合、収穫日程、他にもあるかも)が多く、感覚に頼る部分が大きいと感じています。それがはまって、ハウスに播種した種が欠けることなく発芽した光景を見たときには、充実感でいっぱいでした(水やりはももさんで、自分でやればどれほどか)。また、路地物野菜の苗たてはちょうど盛期で、水分量・天候・気温・覆土・時間などこちらも変数が盛りだくさんです。特に今回は気温と覆土に工夫をして、発芽率が向上しました。まだまだ一作業者として業務にあたる身ですが、考えをしっかり理解して、つないでいきます。水やり、育苗はどちらも変数が多く難しいですが、その分面白く感じます。

さて、3か月が経ち改めて振り返ると、農作業は体と同じくらい頭が大切だと感じます。要領の良さとしっかりした考えが必要です。収穫・ハウスの建築・播種・水やり・育苗、どれもこれも。まだ初めての作業が多く、経験がない分、頭はフル回転です。できるだけ作業の意図を把握して、考えて、行動するように心がけています(ひたすら草を削るとか、純粋な肉体労働もありますが)。また、前職までは農業とは無縁でしたので、技術が無く、自分の感覚がまだ信頼できません。なかなかつらいところで、今は先輩方に自分の考えをぶつけて感覚を調整しています。きっとこれは大切で、いつかは感覚が頼りになるようになりたいものです。(ひたすら鉄パイプを運ぶとか、純粋な肉体労働もありますが)。

最後に、好きな言葉は「so far so good」です。「これまでのところ、これで良し」ぐらいの意味でしょうか(中高で英語を勉強してこれだけが残りました、6年間で)。きっと一歩ずつ、踏み固めながら進んで行くことが大切なんだと思います。今後はこれまでの3か月間の農業だけではなく、人生の歩みを基に次の一歩を重ねていきたいです。野菜を愛する気持ちを大切にしながら、まずは水やりから。

この日誌を書いた人


nakaniwa@foodhub.co.jp ()

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