ちえちゃんの あんな野菜、こんな野菜
「菜の花」(2019年3月号)

ちえちゃんのあんな野菜、こんな野菜つなぐ農園育てる

絵:大東
絵:大東

 

かつて「ナノハナ(菜の花)」は、ナタネ油の花のことを指していました。近年一般的には、アブラナ科のアブラナ属すべての花のことを指し、野菜としての意味も含み、大きなくくりで使われています。

 

その中で品種改良されたものを分類上「ナバナ(菜花)」と呼び、それぞれの用途ごとに品種が異なります。

在来種は食用として改良し、スーパーでも見かけられる野菜の一品種となりました。正確にはナバナなのですが、ナノハナと呼ばれることが多いです。真冬から春にかけて野菜が少なくなる時期に重宝されます。明るい黄緑色の蕾は春らしく、若い葉ややわらかい茎、ほんのりとした苦味が美味しく、おひたしや和え物、パスタなど万能です。ちなみに徳島県は全国2位のナバナの産地なので、春の定番野菜かもしれませんね。

河川敷に咲いているのは、かつてナタネ油作るためにたくさん栽培されていた西洋種。他の植物と自然に交雑するうちに帰化したそうです。

姿が美しいものは観賞用の花として育てられ、和歌や俳句、春の季語としても愛されていいます。3月末に、神山町の上分江田地区では「江田の菜の花まつり」が催されます。棚田に黄色の花畑が広がります。地域のみんなで種をまき育てる、美しい里山のありかたを感じられます。

(※どのナバナも食べれるけれど、やはり食用が美味しいそうですよ)

アブラナ科の野菜は、小松菜、水菜、白菜、など多種多様。これらの野菜が越冬したものはトウが立ち、翌春に黄色い花を咲かせます。大根やかぶ、ルッコラは白い花を咲かせます。地域に根付いたナノハナもあり、北関東ではのらぼう菜、三重なばな、など様々な種類があって奥深い。そろそろ畑に植えっぱなしの冬野菜から、「ナノハナ」が咲くので、味見してみてくださいね。アブラナ科の野菜は種をつけるために、これまで葉や茎に使っていた養分を蕾に集めていきます。その蕾には栄養がぎゅっと詰まっていて、その野菜の味が凝縮されたような味わいは、春のご馳走。私は白菜の「ナノハナ」のやさしい甘みがお気に入り。それぞれに色形が違う「ナノハナ」は、とってもかわいい!食べて美味しい!小松菜、ケール、芽キャベツ、からし菜、黒キャベツの花を摘んで、全部食べることができるブーケを、当時神山に滞在していた料理人のもっさんが友達に贈りました。

この日誌を書いた人


nakaniwa@foodhub.co.jp ()

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