神山で過ごした半年間で感じた
豊かさの根源にある「つながり」

かま屋通信

2回目まして! 5月の『かま通』ぶりです。現在フードハブでインターンをさせていただいている〝だりさ〟(松田理沙)と申します。神山町に来て半年、当初決めていたインターンの期間はこの8月、あっという間に終わろうとしています。日々の密度の濃さといったら、梅シロップくらいあります。
「かま屋のご飯が食べてみたい!」ただそれだけの理由で神山に来て、そこから吸い込まれるようにここ神山町で暮らすことになって半年。「豊かな食と農の関係とは何か?」この問いを漠然と抱えていた私にとって、フードハブの存在は興味を惹かれるものでした。共感する一方で「”農業の会社”であるフードハブだけど、農業部門以外の人は農業をしていない。その中で”地域の農業を未来につなぐ”というのは実業務との間にギャップがあるのではないか?」そんな疑問がありました。

3月からの半年間、フードハブで多くの経験をさせていただきました。かまパンでの販売、加工部門での製造、マルシェの出店、そしていちばん多くの時間を過ごしたのは、かま屋のスタッフとしての時間です。この半年で私が知り得たことは、ごくわずかだと思います。メンバーの皆さんがたくさんの光と影を見てきた苦労は想像しきれませんし、簡単に言葉にしてしまうのは怖い気持ちもあります。しかし、実際に中に入ってみないと分からないこともたくさんありました。その中でも、先の疑問に答えてくれそうなこと。それは「何かと何かをつなげる前に、まずは自分がつながる」ということです。私は「農業と食文化をつなげる」ことが、どこか他人事のようで自分の手の届かない範囲にあると感じていました。しかし個人が人とつながり、地域と関係性を育むことで自分事にする。つながる相手は生産者さんやお客さん、他愛もない会話をできるまちの人など、さまざまです。これが〝小さな一歩〟にして〝大きな一歩〟なのだと知りました。

「自分がまちや人とつながる」は、言葉にはしない当たり前の要素としてフードハブのメンバーの中で共有されているのだと思います。だから、ここで働いている人は生き生きとしていて見ていて気持ちがいい。私までポジティブな気持ちになり、笑顔になります。生産者とつながる、まちとつながる、思いがつながる。かま屋で何度も見てきた人と人とのつながりを、幸せなことに私も感じる瞬間がありました。その度に毎回新鮮な気持ちで「あぁ豊かだなぁ」と感じました。言葉にしなくても、心の奥深い部分に触る感覚で。
だけど、つながることは負担になるのも事実です。だからこそ、生産者と消費者で区別され、価格で評価される分断された社会があるのだと思います。分断された社会は、確かに楽です。自分の枠の中で、自分のことを考えればいいから。だけど少し面倒くさくても、今目の前にある食べ物と向き合い、誰がどんな思いで作り、料理したのかを想像しその時間を周りと共有することで、豊かさの根源にある「つながり」を感じ、美味しく、そして楽しくなると知ってしまいました。これからも大切にしていきたい感覚です。

ここでこうしてスタッフとして、1人のお客としてつながることができたことを誇りに思います。これからも、美味しい野菜を食べに帰ってきたいです。でも毎日は難しい。だからこの半年で私とつながってくださった誰かが、私の大好きなこの空間で大好きなご飯を、大切な誰かと一緒に食べてくれたら良いなと思います。半年間ありがとうございました!

この日誌を書いた人

いただきます編集部


いただきます編集部 (一番、食いしん坊です。)

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