日々の暮らしは農業につながる、
誰かの暮らしの元になる。

育てる

こんにちは!農園係・八百屋係として、野菜の生産販売を担当していた大東です。2年半働いたフードハブをこの冬に退職して、神山町で独立就農をすることとなりました!

フードハブでは野菜の生産販売を軌道に乗せる大変さや様々な葛藤がありましたが、それ以上に喜びが大きく、慌ただしくも充実した日々となりました。各部門のプロフェッショナルたちの物事への向き合い方は励みとなり、私を支えてくれました。色々な野菜は、日替わりのバラエティ豊かな料理とともに、料理人との関係も豊かにしてくれたように思います。一緒に畑を巡り、お互いのやり取りをしながらメニューができていく楽しさ。すっごい辛いルッコラや、生食が美味しい空豆に、「美味しい」がたくさん見えてくる面白さや、料理と感性の広がりはワクワクするものでした。そして食べていただけるのを目の当たりにできる環境も、生産者として贅沢だなと感じています。

「一人少しずつ持ち寄ると沢山になる。」里山の会さんを始め、個々の生産者さんが、かま屋の食事を支えてくれています。農業への想いや食べてもらう喜びとともに、暮らしとともにある農業をつないでいく。それぞれの小さな農業も、社会にとって大切な農業だと、神山で改めて感じています。ひとりひとりのできることを持ち寄って、フードハブという組織で大きく形にすることができる。その一員であれたことと、この恵まれた環境に感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、退職してからは畑の準備に奮闘中。かまパンの下の畑や、高校の横の畑を借りることができました!人が集まり学び合いができる環境を作っていけるといいなと思っています。マイ収穫かごを持って畑で野菜を買うなど、プラ要らずで楽しい取り組みも妄想中。農業者としては、何より美味しい元気な野菜を作りたい。地域の資源、茅に竹炭や廃菌床と、ここにあるものを循環した農業も試しながら。これまでのように色とりどりの味に多品目の栽培で、農と食の多様性を目指しています。

個人の就農では生計を立てるのは正直厳しく、収支計算にゾッとしていますこれまで会社員として農業をした9年間の、大量生産の現場経験に伴う生産性と効率化は、私の底力になるはず。秋はスダチ冬は椎茸、別の仕事もしつつ、自身の農業を深めて暮らしの基盤を作る踏ん張り時です。また、フードハブ卒業制作?!で野菜の「ステッカー」と「マスキングテープ」を製作・販売することになりました!育てるところから食べるところまで、そして、種から種の延々の循環など、農業にまつわる物語を伝えていく第一歩となりそうです。

マスキングテープ:近日中にストアで販売予定!

日々の畑では。ご近所のおばあちゃんに野菜も種ももらったり、休憩におみかん食べたり。何気ない日常があることの有難さを、しみじみと感じられるこの頃です。 

私はもともと独立就農に積極的ではありませんでした。しかし、独立就農した際の野菜は、フードハブで料理や販売をしてもらえる受け口の仕組みがあること、これからも続く関係性がある(かま通2面の「あんな野菜こんな野菜」の記事も続くよ、時にはかま屋でアルバイトをしているよ!)こと、そのサポートと温かさ、ともに歩んでいけることが、独立を夢に変えてくれたように思います。また、神山町での多様で柔軟な暮らし方、個々の活動でも様々な人と関わりながら、自分が暮らしを手作りしていく姿に、私も一歩踏み出したくなったのです。

フードハブを始め、多くの人のおかげで、独立就農に至りました。今ある環境は、これまでに誰かが作ったもの。色々なものが「ここにある」豊かさに感謝するとともに。私のものづくりも誰かの暮らしのもと、では私はどういうものを作る?ということを考えさせられます。あの子に食べてほしい野菜や、その環境はどういったものでしょうか。食べる、使う、育てる、学ぶなど、日々の暮らしはどこかで農業につながっていて、今ここで出来ることを一緒にやることが、それぞれのつながりを豊かにしていくのだと感じています。これからもフードハブやみなさまとともに「地産地食」で地域の多様性と関係性を育み、それぞれの農業を助け合っていきたい。沢山のギフトを与えてくれる農業を、賑やかにつないでいけるといいなと思っています。 

私の土作りに野菜の生産技術はまだまだで、これから本当に時間と手間がかかります。しかしどんな状況でもコツコツと歩むだけ。また私の野菜を食べてもらえれるよう日々精進です!これから畑でひとりになることも多くなるので、一緒に何かできることがあればうれしいです。ぜひお声がけください!地域での暮らしが始まります。ここ神山町で、私の奮闘記も続きます

この日誌を書いた人


nakaniwa@foodhub.co.jp ()

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