ちえちゃんの あんな野菜、こんな野菜
「きゅうり」(2020年6月号)

ちえちゃんのあんな野菜、こんな野菜

絵:大東千恵
絵:大東千恵

ウリ科キュウリ属の「きゅうり」の原産は3000年前のインドのヒマラヤ。標高が高く水分豊かな砂地を好んで育つようです。

中国からみた西方民族「胡」からきた「胡瓜」は、完熟した「黄瓜」を食用にしていたようです。7世紀頃に日本に伝来したきゅうりは非常に苦くて不味かった!ので普及がかなり遅れ、本格的に栽培に取り組むのは江戸時代から。お盆の精霊場や、カッパの大好物≠胡瓜のお供え物→河童巻きが定着しました。この日本古来の「華南系の黒いぼ」のきゅうりの苦味をなくすために、品種改良が進められました。この品種の「半白きゅうり」は、短く太く皮は硬め。肉質が柔らかく漬物に向いています。

明治以降に渡来した「華北系の白いぼ」のきゅうりは、皮が薄くてパリッと歯切れが良く、水分が多い。時代の流れと共に生食が好まれるようになったことから現在の流通の約90%を占めています。きゅうりは、乾燥や雨などから守る成分「ブルーム」を自然に生成するため、表面が白っぽく粉をふいて見えるものでした。しかし消費者からみると農薬のようにも見え、見た目もいまいち。カボチャの台木に華北系を接ぎ木したブルームが出来ない品種「ブルームレス」が作られました。ブルームがないためきゅうり自体の皮が厚くなり、見た目と日持ちが良くなりました。ハウス栽培の技術や品種改良などが進み、周年栽培ができ、病気に強く収量が多い、流通性に優れるなど、進化しています。近年のきゅうりのほとんどは一代雑種(F1)で、イボなしに変わりつつあります。イボに雑菌が付くのを防ぎ食中毒のリスクを少なくするためとのこと。いつしか苦味はやアクはなくなり味気が無くなってしまったと言われることも。この品種の中で「四葉(スーヨー)」は、いぼが多いのでキズが付きやすいので流通に乗らないのですが、昔ながらの風味の良さが残った美味しいきゅうりです。四葉好きも多いです。見かけたらお試しください。

きゅうりは全体の95%が水分、ほぼ水分。時間がたって水分が蒸発すると味も食感も極端に落ちるので、もぎたて新鮮なものが◎ 世界一低カロリーの野菜ですが、栄養価はそこそこあります。田舎に住んでいると、きゅうりは買うより頂くもののような気がします。栽培も簡単で鈴なりにできる。みんな同じ時期にできるし、一晩で倍くらいのサイズになる。炒め物や、ピクルスや漬物の保存食にと、きゅうりに喜び調理に悩む季節がやってきますね!!!

徳島の伝統野菜で有名な「美馬太きゅうり」もありますが、神山町にも昔から栽培されている「三角きゅうり」?と呼ばれるきゅうりがあると聞きました。どんなきゅうりでしょう?探していきたいと思っています。ご存知の方がいらっしゃったら、お話聞かせてくださいー!

この日誌を書いた人


nakaniwa@foodhub.co.jp ()

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