2020年4月10日(金)
城西高校神山校 “まめのくぼプロジェクト“
始まっています。
「神山校」になって2年目の春。高校生が冬に小麦をまいた谷地区の畑では、ぐんぐん芽が伸びています。今回は、谷地区で始まった「まめのくぼプロジェクト」についてお伝えします。
谷地区(通称“まめのくぼ”)の段畑をお借りできることになったのが昨年秋。70年以上神山で継がれている「神山小麦」の栽培を始めたこのプロジェクトですがなぜこの場所で?という経緯を少し。
神山校は、2019年度から文科省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」を受け、いくつかの研究開発に取り組んでいます。その中の「地域の生産・交流拠点としてのシードバンク」や「地域を学びの場とした実践」が進められているのがここ“まめのくぼ”。昨夏には先生方、役場、フードハブ(以下FHP)のメンバー7名で「種を守る活動」を行う学校や企業、団体を視察し、神山で「地域のシードバンク」をつくっていくとしたらどのようなかたちが望ましいのかを考えました。
身近な場所で行っている「種を守る・つなぐ」活動といえば、神領ユリなどの希少植物の保護活動やどんぐりプロジェクト(神山校)、70年以上種をつないでいるもち米栽培(小学校と連携)や同じく70年以上種をつないできた神山小麦の栽培(FHP)があげられます。
今やっているものを基盤に高校生と進めていこうと目をつけたのが、神山小麦でした。神山小麦の栽培と、それに伴う畑の整備や石積み修復。神山校の高校生たちがこれから学んでいく環境デザインと食農プロデュースの両学習素材が豊富にあることから、ここ「まめのくぼ」を学び場として整備していくことになりました。
10年以上使われていなかった畑の草刈り、農業委員さんによる一斉耕起、地域の方や石積み学校の金子さんに教わりながらの石積み修復、そして播種。大ごとに思えたここまでの道のりも、役場や地域の方々のご協力のもと順調に進んでいます。
元日には無事に芽が出ていることが確認できホッとしたのも束の間、神山町では獣害対策必須…!とのことで、鳥庭宏さん(神山町役場)にご協力いただき、畑の周りに電気柵を設置しました。
「鹿が入っているぞ…!」という報告も複数受け、日々ヒヤヒヤしながら見守っていますが、今のところ順調です。
「高校が地域の景観創造の一役を担い、地域の生産・交流の拠点になっていくことは公立学校の在り方を再定義する試みでもあります」とは、かま屋通信2019年6月号 の森山円香さん(神山つなぐ公社 ひとづくり担当)の言葉。6月の収穫に向けて、まずは鹿さんに食べられないよう小麦を守ることが最重要課題。あとは生徒たちと「まめのくぼ、どうしていきたい?」というところから一緒につくっていけるといいなぁと思っています。
地域のみなさん、近くを通る際にはぜひ畑の様子を見ていただければうれしく思います。