阿波晩茶づくりの輪が広がりました。

つくる神山の味

去年に引き続き、フードハブでは2年目の阿波晩茶作りを行いました。

今年はより多くの方達に神山の阿波晩茶作りを知って頂けるよう、体験型のワークショップ「地産地食の学校」としても2回ほど開催しました。東京や千葉、徳島市内、神山町内からもご参加頂き、様々な人の手を介して作った阿波晩茶。

私自身、ワークショップの『案内人』になる事は初めてで、人に教える事が出来るのか、お天気は大丈夫か、人は集まるのか、と様々な心配事とプレッシャーがありました。

携帯で雨雲レーダーをチェックしたり、台風の接近にひやひやしたり。幸いワークショップ開催の2日間はお天気に恵まれ、阿波晩茶作りらしい暑さの中での作業になりました。参加者の方は以前からフードハブの取り組みに興味を持たれ、一度神山に来てみたかった!かま屋のご飯を食べて見たい!阿波晩茶を作ってみたい!と、楽しみにされているのが伝わってきました。

2日目、樽詰めの作業では、親子で息を合わせてお茶を擦る場面や、汗だくになりながら釜で茶葉を茹でたり、蒸し風呂の中でも皆さんが笑顔で作業されている姿を見て、私も少しほっとしました。

その後、樽の中で2週間発酵させて天日に干したら完成ですが、8月下旬は雨が続き、お茶を干すタイミングに困っていました。そんな時、白桃真知さんから『次の晴れ間まで待った方がいい』とアドバイスを頂き、じっと待つことに。それから2週間後の晴天の日、やっとお茶を干せた時はもうすぐ完成するという喜びと、失敗せずにここまでこれた安心感があり、翌日、しっかり乾燥し手の中でカサカサと音をたてる阿波晩茶を見て、肩の荷が降りた気がしました。

ワークショップ参加者以外にも、去年以上に沢山の人が携わってくれ、少しづつですが阿波晩茶作りの輪を広げる事ができたのでは無いかと思います。暑い中、茶摘みの大変さを実感し、普段飲んでいるお茶が安すぎるね、という声も聞こえて来ました。神山の阿波晩茶を、作り手の立場で感じてもらえたのではないかと思います。

7月下旬、私自身の勉強の為に、上勝町で神田茶(じでんちゃ)を作っている農家さんのお宅に見学に行かせて頂きました。

茶葉は全て手摘みですが、その後の作業は上手に機械を取り入れているのが印象的でした。それぞれの工程の中で、最終判断や微調整は人が行っていますが、人手のかかる部分、力のいる部分が機械化され、少人数でも大量の茶葉を樽に摘める事が可能になったそうです。そして、漬け込み用の樽は、一番古い物で明治から使っているとか。年期の入った樽がずらっと並んでいるのは迫力がありました。

フードハブでも杉樽が使えたらいいのになぁと思ったり、作業の効率をいかに良くしていくかも今後の課題だなと思いました。

10月、かま屋のポットに入っているお茶は今年作った阿波晩茶です!ストアでも絶賛販売中!ほのかに甘みがあり、後味に乳酸発酵の酸味を感じます。暖かくても、冷やして飲んでも美味しいです。みなさま、是非お立ち寄り下さいね!

この日誌を書いた人

中野公未

料理人/加工係
中野公未 (さとちゃん)

料理人/加工係 神奈川県出身。都心の居酒屋や定食屋を中心に働く。都会での生き方に疑問を抱き、移住を決意。神山の土地と人に引き寄せられフードハブへ。”今、ここ”でしか経験できない事を、楽しみながら吸収中。

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