2019年8月9日(金)
“フィリピン” を味わおう
こんにちは、石田(かま屋副店長)です。6月下旬、もち米の田植えを終えた5年生の子どもたちに向けて、「フィリピンのお米」の話をしました。
実は私、大学の時にフィリピンと出会って以来、フィリピンが大好きなんです!初渡比以来、半年おきに通っているほど。大学時代は英語教育を専攻し、卒業論文を書き上げるためにフィリピンの学校に1ヶ月住み込んだ経験もあります。
そんな大好きなフィリピンの学校教育や暮らし、食文化等をお話することには慣れていますが、農業、特に稲作については無知。少し言い訳をすると、自分が行く地域では農業といえば、ジャガイモやトウモロコシなどで、お米は育てられておらず、田んぼを目にすることはなかったのです。知らなかったフィリピンについて知るチャンスと思って授業の準備に取り組むと、これがとっても楽しい!フィリピンの稲作について話をするだけではなく、まずは暮らしや食生活、学校生活などを伝えつつ、お米の話に入っていきました。
フィリピンの子どもたちの写真を見て「俺の友だち!」という子がいたり、海で遊んでいる子どもの写真を見て「いいなー楽しそう!!」とリアクションしたり、子どもたちの反応から話を広げることもできました。
今回の授業では、フィリピンのお米(インディカ米)を食べる時間を入れました。フィリピン人はお米を食べることが大好きで、毎食必ずお米を食べます。それに合わせて、ごはんが進む味付けで汁気のあるおかずが多数。食べ方は、お米8に対しておかず2をかけて、スプーンとフォーク、もしくは手で食べます。フィリピン料理の中には、日本人でも食べやすいものも多くありますが、今回はあえて、子どもたちが嗅ぎ慣れないであろうナンプラーをたっぷり使った「シニガン」という酸っぱいスープと、見た目のインパクトがある「チャンポラード(チョコレート粥)」の2品を食べることにしました。
教室に入るなり、「なんの匂い?!」「カップラーメンの匂いがする!」「ドックフードの匂い!」と反応を見せる子どもたち。お鍋を開けると「吐きそう…」と顔を背けてしまう子どもも。2人だけきれいに完食しました。
食べられなかった子には、匂いと酸っぱさが苦手だったようです。お米だけを食べた時と、スープをかけて食べた時の食感や味の違いについて「スープをかけたらパサパサしたお米が美味しく食べやすくなった」と話している子どももいました。
チャンポラードは、一緒に作るところからやってみました。
「チョコレートとお米?!」という反応をしつつ、シニガンの時とは明らかに違う(好意的な)眼差しを向けながら試食した子どもたち。「普通に美味しい」「パサパサした感じせん」「あんこみたい」「日本のお米でやったらどうなるんやろう」と色々な感想や疑問を持ちながら完食しました。
子どもたちは「やっぱり日本のお米が美味しい」という感想を持ったようですが、社会科の稲作の授業から、異文化理解に繋げ、体験を交えてフィリピンを味わえる今回の授業は、伝え手としても自分で感じ考えながら学ぶことのできる面白さがありました。子どもたちにとって他の文化に興味をもったり、日本のお米の美味しさを再発見するきっかけになっていると嬉しいです。