小学校5年生のもち米づくり(5月30日:種をまきました)

授業レポート食育

6年生から受け継いだもち米の種。前回は、塩水で選別した種を乾燥させました。その種をフードハブで預かり、お湯で消毒、発芽させて…いよいよみんなで種まきをする日がやってきました。

小学校から白桃家まで30分かけて歩いてきた5年生の子どもたち。「よろしくお願いしま〜す!」という声が響きます。

元気な挨拶をしながら、神領小学校5年生がやってきました。

消毒剤を使わずに、消毒する方法

5年生のみんなが前回種を乾燥させてから、どんな作業をして今日を迎えたのか、という話を聞きます。

60℃で消毒したり、32℃で発芽させたりするのに使う、プールのような機械を見ながら。

「これまでは、1回だけ、発芽させる前に消毒をしていたんだけれど、今年から、60℃のお湯で消毒するようになって、これまで使っていた消毒は必要なくなったんよ。60℃って、雑菌や成長の邪魔をする虫がいなくなる温度。」

60℃のお湯で消毒するということ自体、ほんまにいけるんかいな?と不安もあったそう。

でも、大丈夫でした。もち米、元気に発芽しています。

機械を使って、種をまく方法を知る

種まきをする機械を見る子どもたち。「覆土」といって、種をまいたあとにかぶせる土は、ミミズの糞からできているんだよ〜!(うっ。。。)

機械で種をまく様子を見てみます。

種をまいたあとはこうして並べていき、シートをかぶせて「もやし」の状態にさせる、という流れを確認。

自分たちの種をまこう

ここからは、自分たちの種を、自分たちの手でまいていきます。

水をかけて土を湿らせます。

均等に種がまけるよう、種の数(重さ)もトレイごとに合わせます。

一人一人、種をまいていきます。

まき方も、グループごとにカラーがでますね。

「きれいにまけとる(まけている)なぁ」とじいちゃんに褒められたチーム。

この上に覆土となる「ミミズの糞」からできた土をかけるのですが、「ミミズの糞」っていうのが気になるのか、ちょっとためらっている様子の子どももいました。

種が見えるか見えないか、くらいの量をかけていけばオッケー。

種をまく時に、トレイからこぼれてしまった種は、残念ながら雑菌がついている可能性があるので、植えません。その種を手に取り、観察している子たちがいました。

「この出てるの、何?」

手にとって、種をじっくり観察していると、角が出ているのを発見。

殻をめくると「白いところがある!」

横にいたじいちゃんが、いろいろ教えてくれました。

4つのトレイ、すべての種まきが完了!

トレイをビニールハウスまで運びます。地面と平行に。気をつけて、ゆっくり。(でも重たい…)

種や土をこぼさないように、そーっと置きます。

トレイをおいた場所は下にビニールが敷いてあって、プールのようになる。水を張ることで、病気を防ぐことができるそう。水を入れるのはもう少し稲が成長してから。

シートをかぶせて、「もやし」を育てます。

光を遮って、もやしの状態に育てます。さらに、「もやし」の状態から「緑化」させると、田植えできる「苗」の状態になるそう。

最後に、質問タイム。

5年生から、いくつか質問が出ました。

最後に、質問に答える農業長。

子どもたちが、実際にやってみて感じたことや疑問に思ったこと、こうして質問として出てくるのは、とてもうれしいです。

みんなが蒔いた「6年生から受け継いだ種」が無事成長しますように!

その後の様子

5年生の子どもたちは毎日観察することはできないのですが、もやしと、もやしを緑化させたあとの苗を見ました。

6月4日の夕方 そろそろ緑化させるよ、と茂さん(写真)に聞いて見に行きました。

茂さんは、この時期の稲が一番好きなんだそう。

親指と人差し指を直角にしてはかるもやしの背丈。このくらいまで大きくなれば大丈夫だそう。

上にかけている遮光を40%にし、このあと明朝〜昼にかけて、このもやしが緑に変化していくそう。1年に一度しか見られないその変化の瞬間をわたしも一目見てみたい、と思ってまた翌朝見に来ることにしました。

 

6月5日 朝8時 まだ黄色い状態。(もう少しかかりそう、と茂さん。)

 

6月5日 夕方16時半

6月5日夕方
もう、朝とは全く違う色になっていました。

稲の先についた水滴が、とてもきれい。

 

5年生のみんなが手植えした稲も、順調に緑化していました。

「20日苗」…よく言われる言葉。種を蒔いてから20日後に田植えするのがちょうどいいのだそう。種を蒔いたのが、5月30日。そして、田植えは6月21日を予定しています。

田植えまで、あと少し。

引き続き、稲の成長を見守っていきます。

ーおまけなのに長くなってしまったけれど、おまけ。ー

稲の成長を見たあと、小麦の収穫を見ました。(←見ただけ。)

フードハブの農業チームのメンバーと支配人が奮闘している様子を。

この小麦で、どんな美味しいパンが完成するのか、とても楽しみです。

空と、山と、畑。と、フードハブ。

農業長と、じいちゃん。

農業係と、じいちゃん。

支配人と、じいちゃん。

先人の知恵、昔からやっている方法、理にかなっていることが多くて驚きます。

そんないろいろを教えてくれる人がそばにいること、とてもとてもありがたいこと。

 

次回につづく。

この日誌を書いた人

樋口明日香

NPO法人まちの食農教育
樋口明日香 (ひぐち あすか)

前フードハブ 食育係。徳島市出身。神奈川県で小学校教員として働いたあと2016年からフードハブに参画。2022年3月より現職。まちの小・中学校、高校、高専の食と農の取り組みにかかわりながら「みんなでつくる学校食」を模索中。 https://shokuno-edu.org/

その他の活動

前へ次へ 閉じる