小学校5年生のもち米づくり(5月17日:種を選別しよう)

授業レポート食育

前回 (昨年の取り組み)からの続き。
2017年5月17日<種の選別>
最初は種(タネ)!から始まるもち米じゃんけんから、今年度のもち米の授業が始まりました。70年以上自家採種をしたきた神山町の気候・風土にあったもち米(通称:よごれもち)。

20年以上前から小学校の前の田んぼで田植え・稲刈りに関わってきたフードハブ農業指導長・白桃茂と農業チームその他メンバーが加わり、今年も賑やかに始まりました。

6年生から引き継いだ種

神山町の白桃家で70年以上継いできたもち米。さらに、今年は昨年度の5年生(現6年生)が育てたもち米からとった種を使ってもち米を育てます。

6年生から引き継いだもち米の種。

種の選別

塩水で種を選別 → 60℃のお湯で消毒 → 32℃で芽出し します。

みんなで種の選別を行いました。
教えてくれるのは、農業長・白桃の祖父、白桃ひでゆきさん。昔からやっていた方法を教えてくれました。

塩分濃度をはかるために、生卵を使います。生卵が浮いて10円玉くらいの大きさで顔を出すくらいがちょうど良い塩分濃度だそう。

最初は沈んでいた生卵が、塩を入れるたびに浮いてきて、10円玉くらい顔を出しました。これでちょうどいい塩分濃度になりました。

機械や道具がなくても、身の回りにあるものでこうしてなんでもやってしまう先人の知恵、すごい。

戦後、塩は貴重品。手に入れるのは難しかったそう。地域の人たちが集まって大きなたらいに塩水を張り、順番にその塩水の中に種を入れて、それぞれ選別していたそうです。

選別するのにちょうどいい塩水が完成したら、いよいよ種の選別です。

完成した塩水に種を浸します。

沈んだ種は、植えられる種。

浮いてきた種は、残念ながらここでさようなら。

浮き上がってきた種(植えても芽が出ない種)を除いていきます。

1人ずつ、少しずつ、やってみます。

22名の子どもたち全員がやったあとは、担任の先生、校長先生、と続きました。

選別した種を、洗う

選別した種。量は減ってしまったけれど大事な種です。

種についた塩水をきれいに洗い流します。

塩水がついたままだとよくないから、何度も何度もすすぎました。

作業をしながら、ちょっとしたコツを教わります。

学校内の廊下に広げて乾燥させました。種が重ならないように、何度か種を返しながら2、3日置いて乾燥させます。

子どもたちの真剣な表情がとてもいい。

乾燥させた種を預かり、
60℃で消毒。
そして32℃で発芽させて、いよいよ種まきです。

5月30日に実施した種まきの様子はまた次回レポートします。

この日誌を書いた人

樋口明日香

NPO法人まちの食農教育
樋口明日香 (ひぐち あすか)

前フードハブ 食育係。徳島市出身。神奈川県で小学校教員として働いたあと2016年からフードハブに参画。2022年3月より現職。まちの小・中学校、高校、高専の食と農の取り組みにかかわりながら「みんなでつくる学校食」を模索中。 https://shokuno-edu.org/

その他の活動

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