小学校5年生との「もち米づくり」が今年も始まりました。昨年の様子から振り返り。

授業レポート食育

2016年の5年生 / もち米収穫後の「はでかけ」の様子
2016年の5年生 / もち米収穫後の「はでかけ」の様子

フードハブに入社し、初めて知る農業のイロハ。
小学生と農業を通して関わりをもつ時間は、多くを学べる貴重な時間でもあります。小学生と一緒に学んだこと、知ったこと、感じたことをレポートしていきたいと思います。

–小学校でのもち米づくりの経緯–

神山町立神領小学校のもち米づくりの始まりは、今から20年以上も前に遡ります。
学校の目の前にある田んぼでフードハブ農業指導長の白桃茂が「子どもたちが『農業』に興味をもつきっかけになれば」との思いから始めたそう。

子どもたちに鎌を使った稲の刈り方を教える白桃茂(農業指導長)。

もち米の種は白桃家で70年以上自家採取(育てた稲から種を採って翌年種を植えることを繰り返し)してきた種。70年以上前のもち米なので、品種名はありません。
普通の白米よりも黄色いことから、おじいちゃんたちは「よごれ餅」って呼んでいるそう。

これが、70年以上種を継いできたもち米

神山の土地で代々継がれてきた種は、神山の気候、風土にあった粘りのある強くて美味しいもち米になります。

–昨年のもち米づくり–

このもち米、昨年度は化学肥料を一切使用せず、農薬の使用を大幅に減らして栽培しました。
その分、水の管理(深く水を張り続ける・水温を高めに保つ)や除草作業にかかる時間と人が増えました。フードハブ農業長の実家の白桃家はもとより、地域の方々の協力があって収穫できたもち米です。
昨年の5年生は、収穫したもち米を使って調理し、お世話になった地域の方々に「ありがとうパーティー」で振る舞い、稲わらでしめ縄を作ってお正月を迎えました。さらには、収穫したもち米を教室で乾燥させ、種籾を次の5年生へ渡し、校内で種を繋いでいこうとしています。

地域の人たちを「もち米料理」でおもてなししたありがとうパーティー

収穫した稲藁を教室で「はでかけ」している様子

しめ縄づくりの先生は、白桃さん(フードハブ農業長白桃薫の祖父)

–今年のもち米づくり–

今年も、5年生とフードハブのもち米づくりが始まりました。
今年度は、化学肥料の使用は引き続きゼロ、農薬の使用もゼロで進めていきます。
「やれる作業はできるだけ子どもたちと一緒にやりたい」と話す先生と、22名の子どもたち。

まずは「種の選別」から始めることにしました。
その様子は次回。

つづく。

 

この日誌を書いた人

樋口明日香

NPO法人まちの食農教育
樋口明日香 (ひぐち あすか)

前フードハブ 食育係。徳島市出身。神奈川県で小学校教員として働いたあと2016年からフードハブに参画。2022年3月より現職。まちの小・中学校、高校、高専の食と農の取り組みにかかわりながら「みんなでつくる学校食」を模索中。 https://shokuno-edu.org/

その他の活動

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