高志小学校出前授業「食べものとなかよくなれる?」
たっぷりかかわり、感じられる時間を。

つなぐ食育

収穫したばかりの小松菜を描く子ども
収穫したばかりの小松菜を描く子ども

今回は、神山から車で40分ほどの場所にある上板町立高志小学校での取り組みをお伝えします。

高志小学校へは、2018年度にピザづくりの授業(2年生)で初めて伺いました。翌2019年度は、文部科学省委託「社会的課題に対応するための学校給食の活用事業」の一環として行われたライブ・キッチン(シェフが子どもたちの目の前で調理)、親子調理実習、海外からの視察団の昼食会等に、フードハブメンバー(浅羽、笹川、清水)も関わらせていただきました。今年度も「食」に関することで子どもたちと何か一緒にできないだろうかとお声がけいただき、2年生の授業に伺いました。「育てる」「つくる」「食べる」といった体験プログラムはこれまでやってきましたが、農業体験や調理を伴わない授業に一人で臨むのは…初めてだったかもしれません。

担任の先生との事前打ち合わせに伺うと、教室の後ろには牛舎の前で大きな牛と並んで撮影された子どもたちの写真と感想が掲示されていました。先生に伺うと、牛舎から漂ってくる匂いに反応する子どものなかには、乳搾りをし、しばらく牛と過ごすうちに牛へのかかわり方が変化した子どもがいたとのこと。みて、きいて、さわって、はなして…たっぷりかかわり、感じられる時間があることの豊かさ。そんな時間をつくっていけるといいなぁと思わされるお話でした。

さて、2年生の子どもたちと食べものについて考える時間、本番。神山校生が製粉した神山小麦でクッキーを焼き子どもたちに食べてもらいながら、わたしが最近「超」がつくほど仲良くなっている小麦の話をし、「食べものとなかよくなれる?」というテーマで神山での取り組み(仕事)を紹介。後半は子どもたちが育てた野菜をそれぞれ一つ選んで絵を描き、野菜との “なかよしポイント” を言葉で添える、という45分間を過ごしました。

子どもたちの作品より

絵や言葉のまっすぐさ、ど直球の眼差しとエネルギーを受け取りながら、とてもとても元気付けられたのはわたしのほう。

「教員」という職から離れて5年が経ちましたが、今でも立場をかえて小学校にかかわり続けられるのはとても幸せなことです。子どもたちとの「食」の活動を通して「たっぷり感じられる時間」を大事にしたいなぁと改めて感じています。

この日誌を書いた人

樋口明日香

NPO法人まちの食農教育
樋口明日香 (ひぐち あすか)

前フードハブ 食育係。徳島市出身。神奈川県で小学校教員として働いたあと2016年からフードハブに参画。2022年3月より現職。まちの小・中学校、高校、高専の食と農の取り組みにかかわりながら「みんなでつくる学校食」を模索中。 https://shokuno-edu.org/

その他の活動

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