初心:シンプルな料理の先に|Secret of Simple Food. 〜かま屋の営業再開にあたって〜

かま屋の営業再開に向けて準備を始めています。

今回、カリフォルニアのオーガニックレストラン “Chez Panisse”の元シェフ、現在は、東京 神田のレストラン “the Blind Donkey”の創始者でありヘッドシェフのジェローム・ワーグとの共同によって営業を再開します。

“Chez Panisse”の創始者で『The Art of Simple Food』の著者のアリス・ウォータースは、カリフォルニア料理の先駆者で、そのレストランは「地産地消」の先がけとして全米の食文化に大きな影響を与えています。

彼女の元で20年以上働いてきたジェロームですが、彼は自身の料理を「自然の料理」と表現します。

“お皿の上のしごとは、農家が半分、料理人が半分。この土地にある季節のものを「直前」に料理し、食材の力を可能な限りひきだす。すべては食材からだ。”

 

それが「シンプルな料理の秘訣」とジェロームは言います。

彼のいう「シンプルな料理」と、ここ神山の農的暮らしから培われてきた「日本的な食」の文化を和えることで、これからの営み方が見出されていくのではないかと思っています。

シンプルだからこそ、ごまかしがきかない。

私たちは“農”の会社、ひとりのつくり手として「食材」という初心に立ちかえります。

こんな時代の最中だからこそ、シンプルに食材に向き合いなおすことでその先に何かが見えてくると考えています。

心と身体に染みわたる、自然を感じる滋味深い味わいの料理を、まちの人にも、まちを訪れる人にも提供し、いつもの日常に新しい提案をしていく。

営業は、衛生面の配慮と品質向上の視点から、これまでの“日替わり”メニューでご自身でおとりいただくスタイルから、“週替わり”のワンメニューランチに切りかえます。また価格は適正な範囲で見直し、食の会社としてより持続・再生産可能な経営に向き合っていきます。詳しいメニューや価格に関しては、5月25日(月)に改めてご案内します。

9年ほど前にジェロームと出会った時に、彼が教えてくれた言葉があります。

「土地が食を育み、食が人をつくり、そして人が社会をつくる」

この言葉が、私たちの原点にあります。

国や人種をこえ、ひととひと、たがいの文化がつながり合う。自然とともにある日本的な食文化が、私たち一人ひとりの行動によってかたちづくられていく場に、これからのかま屋がなっていくことを心から願っています。

支配人 まなべ

この日誌を書いた人

真鍋 太一

FHP支配人
真鍋 太一 (まなべたいち)

支配人(COO)愛媛県出身。2014年3月より妻子と神山町に移住。2015年度の地方創生ワーキンググループの検討会で農業長の白桃と出会い、フードハブ・プロジェクトの立ち上げに至る。社会とつながり「暮らすように働く」ことを企業の価値づくりに役立てるべく家族と友人たちを実験台に検証中。神山町にサテライトオフィスをかまえる広告制作会社 ㈱ モノサス デザイン係、東京 神田にあるレストラン「the Blind Donkey」の支配人も務める。

その他の活動

前へ次へ 閉じる