ちえちゃんの あんな野菜、こんな野菜
「ヨモギ」(2020年4月号)

ちえちゃんのあんな野菜、こんな野菜

絵:大東千恵
絵:大東千恵

キク科ヨモギ属。世界に300種類、日本にも30種類のヨモギが自生しています。

原産の中央アジアの乾燥地帯の中で生育していくために、葉の裏は細かい白いを密生させ、貴重な水分が逃げるのを防いでいるそうです。またヨモギは繁殖力が強く、地上部が枯れても残った株が生きる多年草で、道路工事でのり面の土壌の固定にも使われることも。

ヨモギは過酷な環境で、虫や雑菌から身を守るために独特の香りを放ちます。その香りの精油成分には様々な薬効があり、古くから身近な薬草として民間で利用されてきました。漢方でもヨモギは「やまいを止める」の意味を持ち、薬に使われています。野草の中でも栄養素が豊富でバランスが良く「東洋のハーブの女王」とも呼ばれるほど。ほうれん草の3倍以上の食物繊維を含み、整腸・新陳代謝促進・増血・冷え性改善などに良いそうです。古代から婦人科薬に、最近では美容にも活用されています。

春の陽気で一気に芽吹き、柔らかい新芽のおひたしや天ぷらも乙なもの。花より団子のよもぎもち。桃の節句に、端午の節句にも、強い香りで邪気払い、繁殖力が高く子孫繁栄の願いを込め、旬のヨモギでお祝いしましょう。

春のお楽しみ、花よりかまパン?!のヨモギローフ。里山の会のみなさんが、大量に摘んでも湯がけば少量になるヨモギを、毎春に用意してくださいます。自然と里山の会さんの愛があふれんばかりに詰まったパンで、春をじんわり味わってもらえたらいいなと思います。

食用としての旬は3~5月の新緑の頃のものが、柔らかく栄養分も充実しているそう。野山に道端にどこにでも自生していて、特に草刈りした日当たりのいい乾いた場所でよく見かけますよ。里山でのどかに暮らすヨモギを摘みに、厳しい環境から生まれた薬効のギフトをいただきに、お散歩に出かけましょう!

この日誌を書いた人

大東 千恵

農家
大東 千恵 (おおひがし ちえ)

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