農業を始めて1年半、理論と結果が結びつく楽しさ

つなぐ農園育てる農業研修

こんにちは!

今年初めてチャレンジしていた、お米栽培(自家消費用)。農業チームの皆やご近所の方々にアドバイスやご協力を頂き、無事に収穫までこぎつけることができました。

初めて作ったお米の有難さを実感し、家族皆で美味しく頂いている、つなぐ農園、研修生2年目の松本です。

7月号のかま屋通信で、初めてチャレンジした茄子栽培の準備段階(定植・誘引)までの、奮闘記を書かせて頂きました。10月中旬に今期の栽培が終了したので、自分自身が感じた事や難しかった点、今後の目標についてお伝えしたいと思います。

難しかった点について挙げればいくつもあるのですが、大きくは病害虫対策と安定供給です。

病害虫対策として、

①生態的防除=コンパニオンプランツ(共栄作物)

②生物的防除=バンカープランツ法 を駆使して試験的に栽培を行いました。

病気に関しては、生態的防除の効果の証明までには至っていないのですが、

結果としては致命的な病気に掛かることはなく、最後まで元気に育ってくれました。

しかし問題は虫たち。。一番厄介だったのが、ニジュウヤホシテントウ、別名テントウムシダマシです。彼らは茄子の葉っぱも実も食べ、更に食欲旺盛なのでまったく良いとこなし。葉を食べられる事による光合成能力の低下(収穫量の減少)、実を食べられる事による秀品率の低下に繋がります。少しでも収穫量を減らさぬよう、8月はほぼ毎日成虫と葉の裏に産みつけられた卵を物理的防除(手で取る)し、藁にもすがる思いで設置したフェロモントラップ(匂いで虫を誘き寄せて捕獲する)は全く効果が表れず。。9月中旬ぐらいになると彼らのシーズンも終わりを迎えて数が減ったのですが、ニジュウヤホシテントウ対策は、来年の課題として残りました。

次に安定供給に関して、

今作は、きゅうりパイプを使用した、U字4本仕立てでの栽培方法でチャレンジしました。栽培方法としては、8月の暑い時期に更新剪定(枝を短く切り、根を切る等)をし、茄子の株を休ませることで、秋茄子を収穫する方法もありますが、自分は栽培期間中、一定量を継続且つ安定的に供給する事を目標にしていたので、収穫と同時に枝の切り戻しを行い、茄子の株をバテさせることなく、作業の効率化を図れる【側枝更新剪定法】(収穫時に切り戻し剪定を行う)を選択しました。

ところが、農業は簡単に理想通りいくはずもなく、生育が思うように安定しない事もありました。始めに描いた理想と現実のギャップを埋めるべく、毎日茄子の葉色・花の色・雄しべの長さ・実の付き具合・味を観察し、日々の収穫量を把握する為に、収穫開始から終わりまで、毎日の収穫数の記録を取りました。また茄子の専業農家さんのところに勉強に行き、枝の仕立て方、剪定、追肥タイミングを学びました。

日々観察をして、潅水(水やり)、追肥のタイミング、剪定をしていましたが、8月の暑い時期に実を大きくし過ぎたことにより、茄子の株が疲れてしまい、弱ったことで害虫達にもやられてしまいました。結果、8月は収穫開始の7月に比べると、収穫量が半分ぐらいに落ちてしまいましたが、9月に入ると株も回復し虫の被害も減ったので、7月と同程度の収穫量まで戻りました。

今年は、一定量を安定的に供給するという目標は達成できなかったのですが、収穫量が落ちた原因をある程度把握する事ができたので、来年以降は対策を行い、その増減を減らせたらと考えています。

この夏を振り返ると、栽培条件が揃うと、みずみずしくて皮が薄く、生で食べてもえぐみがない本当に美味しい茄子が出来る時期がありました。来年以降の目標としては、その美味しくできた時の条件(要素は複合的)を、数値化し、理論的にも理解して、美味しく食べてもらえる時期を継続できるように、日々努力していくことです。

農業を初めて1年半が経ち、植物生理の奥深さ・栽培管理の課題・挑戦したい事が増え、難しさが増しています。その半面、試験栽培を行った際の、理論と結果が結びつくことで得れる楽しさは以前にも増して感じることです。

今後もやるべき事を一つ一つクリアにし、一歩づつ確実に前に進んでいきたいです。

この日誌を書いた人

松本直也

農業研修生
松本直也 (まっちゃん)

その他の活動

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