働きやすく、学びやすい環境をつくる。

つなぐ農園

農業長の白桃です。今回は、いつもと少し違い、栽培の事ではなく、この半年間注力してきた、つなぐ農園の<働き学ぶ環境づくり>について、話をしたいと思います。

ちまたでは、働き方改革と言って、長時間労働の解消、労働環境の改善等など様々なことが議論されています。それに影響されている訳ではないのですが、自然と環境づくりが必要となり、去年の12月から現在進行形で環境づくりに取り組んでいます。

大きくは2つの柱があります。

・標準化

・効率化

農業やるのに、こんな事必要ですか?と思う方もいるかもしれませんが、毎年、農業が初めての農業研修生やスタッフと一緒に作業をしていく、つなぐ農園ではすごく大切なことです。

まず、「標準化」についてです。

以前は、農作業のスケジュール、内容、手順などの細かなことはリーダーの頭の中だけにありました。メンバーは、都度都度指示を聞き、作業を実行していきます。すると、指示が滞ると作業が止まったり、指示の内容が大雑把になってしまうと細かなところでミスが発生。その小さなミスの積み重ねが、大きなズレに繋がっていました。だからこそ、そうならないように様々なルールや手順を設けて、作業の標準化を進めて、それに沿ってみんなが動くことで誰でも作業が進められる状況を作っています。

次に、「効率化」についてです。

農業は、一般的に人件費が半分以上を占めると言われている、労働集約型の産業です。決められた人員の中で、効率的に作業をすすめることは、もちろん生業である農業として、できるだけ多くの利益を生み出すために必要なことです。新規就農者が自ら、農業を始める時も、その意識をもって欲しいと言う想いがあります。しかしながら、最も大切なのは、つなぐ農園メンバーの労働時間を減らすことでできることにあります。せっかく、沢山ある移住先、就農先から、この神山を選んで来てくれたみんなに、神山の自然で遊んだり、魅力的な地域の方との交流の場を持つことができないのは、あまりにも勿体ない状況だと思っています。そして、地域の中で、田畑を借り受けてやっているつなぐ農園だからこそ、その余白の時間を生み出すことが必然だと思い、効率化を進めています。

これらの取り組みの一例として、出荷作業を紹介したいと思います。

つなぐ農園の畑から収穫されたものは、調整場で、その日の発注内容に合わせて、選別、計量、梱包、箱詰めされていきます。これらの作業を行うのは、事前に受注担当者が出力する「タグ」が指示書となり、その指示のとおりに皆が動いていきます。「タグ」に沿って書かれている通りに必要数量を計量し、野菜を仕分けし、取引先ごとにコンテナにまとめ、すべての用意が出来ると、タグと発注書を照合して、抜けが無いかチェックします。このようにタグに注意を向けるだけで、初心者でも、経験者と同じように出荷作業が完了する仕組みとなっています。

その他も沢山のことをやっているのですが、つなぐ農園のメンバーが、働きやすく、学びやすい環境を、みんなで日々考えながら作っていけたらなと思っています。

この日誌を書いた人

白桃 薫

フードハブ農業長/神山つなぐ公社 のうぎょう担当
白桃 薫 (しらもも かおる)

農業長。神山町出身。一般社団法人 神山つなぐ公社所属。神山町役場の職員として11年間勤務。暮らしや仕事中で、日々神山の農業に対して危機感を抱いていた。神山町の地方創生ワーキンググループで考えたフードハブの原案に「これしかない」と思い実行を決意。現在は、神山つなぐ公社の、のうぎょう担当として立ち上げに参画し、実際に田畑に出て農業に取り組んでいます。

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