ちえちゃんの あんな野菜、こんな野菜
「かぼちゃ」(2019年10月号)

ちえちゃんのあんな野菜、こんな野菜つなぐ農園育てる

絵:大東千恵
絵:大東千恵

やさしい甘さにホクホクほっこり。芋栗南京の季節がやってきました〜!「かぼちゃ」はウリ科カボチャ属の蔓性植物になる果菜の総称です。

歴史はとても古く、中南米の紀元前5500年前以上の地層から種が発見されています。世界中で栽培され品種もたくさん。日本で栽培されているものは大きく分けて3種類あります。 

日本に最初に伝わった「日本かぼちゃ」。16世紀にポルトガル人がカンボジアから持ち込んだため「かんぼちゃ瓜」と訛り、そのうち「かぼちゃ」と呼ばれるようになりました。関西地方では、中国の南京から伝わった瓜ということで「南京瓜」とも呼ばれています。アジア方面から来たこのかぼちゃは暑さに強く、皮が薄いものが多いようです。菊のように見える溝が入った「小菊かぼちゃ」や、ごつごつと凸凹がある「鹿ケ谷かぼちゃ」、 外国っぽい名前の「バターナッツかぼちゃ」も実は日本カボチャの仲間なんですよ。水分が多くてしっとりと粘質でねっとりとして、甘さが控えめで淡白な味わいです。煮崩れしにくいので日本料理向き。生産量が少なくなっていましたが、各地域の伝統野菜が見直される中で、活かされるようになってきました。

遅れて19世紀に米国から北海道に持ち込まれた「西洋かぼちゃ」。当初は飼料用でしたが品種良によって、甘みが強く粉質でホクホクした食感で人気となりました。日本の市場で出回っているかぼちゃの9割以上が西洋かぼちゃです。栗のような濃くて甘い風味と食感から、栗かぼちゃとも呼ばれます。黒皮(緑皮)、赤皮、白皮のものや「宿儺かぼちゃ」などの長い形のものもあります。ペルー原産の西洋カボチャは寒冷地帯に適していて寒さに強く、長期保存にも向いています。

「ペポかぼちゃ」は主に種を食用としてパンプキンシードやオイルに使われていることが多いですが、種類は多種多様。「ズッキーニ」や「そうめんかぼちゃ」、観賞用でユニークな形や模様の「おもちゃかぼちゃ」、ハロウィンのかぼちゃもペポかぼちゃの仲間です。ちなみに英語ではかぼちゃ(ウリ科カボチャ属のもの)をスクワッシュ(squash)であって、その中でハロウィンに使われるようなオレンジ色のかぼちゃを、パンプキン(pumpkin)と呼ぶそうです! 

かぼちゃの種まきは4月末〜5月上旬で、秋に収穫と思いきや真夏の8月に収穫します。食べごろは収穫直後ではなく、収穫後2週間以上経ってから収穫直後は水っぽくて甘みが弱く味が薄いのですが、保存しながら追熟させることででんぷんがゆっくりと糖に変わり、滑らかで甘いかぼちゃに仕上がります!多くの野菜は新鮮なほど栄養が多いのですが、かぼちゃは熟している方が栄養が多いそうです。

江戸時代から冬至にかぼちゃを食べる風習があります。昔は冬に野菜が少なく、長期保存できるかぼちゃは大変重宝されていました。かぼちゃの豊富なカロテンは体内でビタミンAにかわって肌や粘膜を丈夫にし、感染症に対する抵抗力をもつため「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われるようになりました。

また、まるごとのかぼちゃは保存性が高く、10〜15℃程の風通しのよい涼しい場所なら2ヶ月程、(10℃以下で温度で保存すると、低温障害で腐りやすいので要注意)品種によっては真冬まで保存できるものもありますよ。

煮炊きに炒め、スープに天ぷらにと色々なお料理に大活躍。お菓子にしても美味しいですね。かぼちゃは切るのが大変ですが、ヘタの部分は日光がよく当たり肉厚で皮も硬くなっているので、お尻の方から包丁を入れると皮も肉も薄いので割と簡単に着ることができますよ。種も楽しみましょう。炒っておつまみにもできますよ。固定種であれば、美味しいかぼちゃの種を保存して置いて、来年につなげましょう!

かま屋かまパンでも、里山の会さんや今津農園さんの、色々な種類のかぼちゃで賑わいます。よく寝かせてあるので味がのって来ましたよ!品種の違いや調理法の違いを、味わってみてくださいね!

この日誌を書いた人


nakaniwa@foodhub.co.jp ()

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