白桃ばあちゃんとの干し芋づくり

つくる神山の味

 冷たい風が吹き始めた1月中旬、白桃ばあちゃんを先生に迎え、以前からやって見たかった干し芋作りにチャレンジしました。使ったお芋は、比較的水分量の少ない、つなぐ農園の鳴門金時。

 まず、さつま芋を洗い、沸騰したお湯に入れ、中までしっかり火が入るまで茹でます。茹で加減が短いと、中が白く粉をふいた状態になってしまい、見た目が悪くなるそう。

 次に、茹で上がったさつま芋を取り出し、手で皮をむきます。

その後、一度ぬるま湯に入れ、取り切れなかった皮や表面の汚れを洗います。皮やひげ根が残っていると、干したあと黒ずんでしまい、見た目が良くないそうです。このひと手間が、出来上がりの美しさに繋がります。綺麗になったさつま芋を1センチ位の厚さにカットし、ザルやネットに広げて干していきます。ここから天日で乾かす事4日~7日、途中でひっくり返しながら、好みの柔らかさに乾いたら完成です。 

 今回、初めての干し芋作りで一番印象に残っているのは、さつま芋を洗う作業です。『真冬の冷たい水に手をいれなくてすむんじゃ』と、白桃じいちゃんが教えてくれたその方法は、土の付いたさつま芋をバケツに入れ、水を半分程入れます。木の板をバケツに突っ込み、左右にひねって回します。中のさつま芋がゴロゴロ音を立て、まるで洗濯されてるみたい!この方法、昔はどの家でも行っていて、芋を洗う音がゴロゴロと近所に聞こえていたそうです。とても素晴らしい生活の知恵だなぁと衝撃を受けました。

 さつま芋は、戦時中によく食べたと話してくれたじいちゃんとばあちゃん。学校に行く前に、干してある干し芋をそっとポケットに入れて行くのが楽しみだったとか。昔は何もかも手作業で、今みたいにお腹が空いた時にすぐに食べられる物は何も無かったと。それでも笑顔で『いい時代だった』と懐かしそうに語ってくれました。

 お話を伺いながら、出来上った干し芋をストーブの上で温め、ちょっと焦げ目が付いた頃合いに食べて見ました。ねっとり、もちっとした食感、さつまいも本来の優しい甘みが後を引く美味しさでした。茹で加減が短く白くなってしまった干し芋も、見た目は悪いけど味はそんなに悪くない!また、さつまいもの品種や干し加減によって、色々作り分けるのも楽しみのひとつだなぁと感じました。

 今回、干し芋と同時に、さつまいもの『白干し』も教えて頂きました。作り方は、生のさつま芋を1センチ位の厚さに切り、真ん中に穴を空けて藁を通します。そのまま吊るし柿の様に軒下に吊るし、しっかり乾燥するまで天日干しします。使うときは粉にして団子に入れたり、水で一晩戻してから味噌汁や炊き物に入れて食べるそうです。昔からの保存食『白干し』を使った料理にチャレンジしてみたいです。美味しい食べ方を知っている方、是非教えて下さいね。

この日誌を書いた人

中野公未

かま屋料理人
中野公未 (さとちゃん)

料理人。神奈川県出身。都心の居酒屋や定食屋を中心に働く。都会での生き方に疑問を抱き、移住を決意。神山の土地と人に引き寄せられフードハブへ。”今、ここ”でしか経験できない事を、楽しみながら吸収中。

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