神山の阿波晩茶
~人と人が繋がることで思いが繋がる~

つくる神山の味

2018阿波晩茶作り〜茶摘み〜
2018阿波晩茶作り〜茶摘み〜

 昔は神山でも良く作られていた阿波晩茶。新芽より古葉が良く、夏の暑い時期に茶摘みをし、茹でた後に乳酸発酵させ、天日干し。人手も手間もかかるこの作業は、時代の流れと共にだんだんと割に合わなくなり、今、神山では作り手がほとんどいないそう。そんな神山の阿波晩茶を、自分達の手で作り、次の世代に繋いでいく。今回は、8月から9月にかけて行ったフードハブ初の阿波晩茶作り(前半)の様子をお伝えします。

 朝6時から茶摘みスタート!フードハブメンバーとボランティアさん達総勢25名で行いました。

神山町内の上地さんの畑。

メンバーのTシャツの様子から…伝わるでしょうか…?

白桃家の茶畑にて。

 古葉に実が付き始め、綺麗な葉だけを手際よく摘むのは至難の業。慣れない作業に、容赦なく照り付ける太陽。7時を過ぎた頃から汗が額を流れ、外で農作業する方の大変さを感じながら、やっと1回に仕込む量の茶葉を収穫出来ました。

古葉を丁寧に摘んでいきます。

場所をかえ、人をかえ、作業は続きました。

どっさり入る袋に3つ分。

 翌日、朝から下分加工場で釜茹で。今回の阿波晩茶作りの先生である西千代美さん、公三さんにも来て頂き、フードハブメンバーと一緒に作業を行いました。

西千代美さん

 まず、茶葉を綺麗に洗い、表面の汚れや枝、実を取り除き、沸騰したお湯に入れていく。

大きな水槽の中で洗います。

グラグラと沸騰した釜の中に洗った茶葉を入れます。

茶葉の色が変化してきます。

 葉の色が変わったらザルに揚げ、熱いうちに茶磨り機に移し、泡が出るまで荒磨りする。

ベテランお父さん方、さすが。

続いて子どももチャレンジ。

この作業、2人の息が合ってこそよく擦る事が出来ます。初めての作業に最初は苦戦しましたが、回数を重ねる毎にだんだんとコツを掴んできました。汗を流しながらの力仕事も、2人1組だと頑張れます。茶葉が泡立ってきたら次の工程へ。

こんな風に茶葉が泡立ってきます。

 茶磨り機から出てきた茶葉はまだ熱を持っているため、シートの上に広げて冷まします。冷ましながら、取り損ねた実をなるべく綺麗に取り除きます。実が付いたままだと、カビが生える原因になるそう。このひと手間が、美味しい阿波晩茶へと繋がっているのを感じました。

実を丁寧に取り除いていきます。

 茶葉が冷めたらいよいよ樽詰め。漬物樽に茶葉を均等に入れていき、上から足で踏み込みます。

樽に入れた茶葉の上にビニールをかぶせ、その上に人が乗ります!

こんな感じでブクブクと泡立ってきます。

 その上から茹で汁を注ぎ、表面の空気を遮断。漬物石を2個置いて、14日程度発酵させます。晴天の日は気温も高く、ブクブクと発酵しているのが良く分かりました。曇り空の日は、朝晩の気温も下がり、あまり発酵が進んでいないように感じます。とにかく自然の力に任せるしか無い所も、阿波晩茶作りの面白い所だなぁと思いました。

これでしばらく発酵させます。

 今回、フードハブが阿波晩茶を作るに辺り、茶磨り機を作って頂いた白土さんを始め、沢山の方々の協力があってこそ、無事に1回目の作業を終える事が出来ました。

白土さんに作っていただいた「茶磨り機」

 ご協力頂いた皆さま、心から感謝致します。本当にありがとうございました。

 昔から伝わる知恵と伝統を私たちが受け継ぐ事で、少しでも多くの人に残していけたらと思います。ただ作業工程を覚えるだけでなく、人と人が繋がる事で思いが繋がる。いつか記憶の中で思い出すのは、一緒に作業したメンバーの顔だったり、湯がいた茶葉の香りや真夏の蒸し暑さの熱気だったり。繋いでいくという事は、目に見える成果だけでは無く、そこに至るまでの苦労や大変さ、それら全てを感じ取りながら同じ時を共有することだと思います。

 まだまだスタートしたばかりの阿波晩茶作り。どんな味に仕上がるか、今からとても楽しみです。>>後編へ。

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この日誌を書いた人

中野公未

かま屋料理人
中野公未 (さとちゃん)

料理人。神奈川県出身。都心の居酒屋や定食屋を中心に働く。都会での生き方に疑問を抱き、移住を決意。神山の土地と人に引き寄せられフードハブへ。”今、ここ”でしか経験できない事を、楽しみながら吸収中。

その他の活動

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