“かまパン”→“myパン”→今、ここです。

食べる

10月15日(月)に開催された「ワインとパンの会」で。
10月15日(月)に開催された「ワインとパンの会」で。

こんにちは、かまパン製造責任者の笹川です。

今回は先月のワインとパンの会をやることになったきっかけと開催前と後の自分自身の変化についてお話ししたいと思います。

田井夫妻(左のお二人)と笹川(右二人)

ワインとパンの会はもともと興味があり、個人的にやりたい企画でした。自分のつくる好きなパンを食べてもらいたい人、食べたい人に来てもらいたい。従来のイベントのようにお客様ファーストではなく自分が楽しむ会にしたい。

そんなことを考えていてもなかなか実行できずにいたところ(夏くらいから)支配人真鍋の知り合いのソムリエ(それも東京で期待の若手)が移住してくるという話を聞きました。(写真左:田井夫妻)

早速、連絡をとりお互いの日程をあわせると2週間後しか予定が合わないと(汗)。

それからは急ピッチで内容を詰め、なんとか準備も間に合い、多くの方にワインとパンを楽しんでもらえました。本当にありがとうございます。

「ワインとパンの会」当日は外まで人があふれていました。

当初はこんなタイトな時間でやりたくないと考えてました。作るだけでも大変なところに企画や設営、田井さんとの連絡など。予定と違うなーと煮えきらずにいましたが、パンを作るとなんとなく懐かしい感じがでてきました。それは今改めて思うと10代の修行時代(今も絶賛、修行中!)の感覚と似ていて、試行錯誤しながらパンを作っているときの感じでした。

当時は怒られることを恐れ正解を探しながらやっていましたが、今は経験をもとにこんな感じ!かな〜と考える楽しさがそこにはありました。それと同時に最近感じていた「違和感」も強くなっていました。

かまパンは「日常」「地元のパン」を目指していますが、今やっていることは間違っていないのか、ということに悩んでいました。

さらにパンをつくるだけで終わらないのがかまパン!いろんなイベントが盛りだくさんで日々に追われています。自分やパンと向き合う時間もなく、完全に逃げたい気持ちで一杯でした。長時間のパンづくりはなんの問題もありませんが、意味のない(わからない)パン作りほどしんどいものはありません。

なんのためにやるのか、やっているのか?
自分のつくるパンに意味はあるのか?

その答えをだしてくれたのがワインとパンの会、そして東京での研修でした。

ワインとパンの会ではすべてがオリジナル。以前勤めていたお店の商品もありますが、かまパンでは販売していません。

この日のオリジナルパンは、かまパンにはないパンばかり。

あのとき一番嬉しかったのはみんなが自分の好きなものを自分で選んでくれたことでした。12種類あるなかから自分はこれが好き!とみんながそれぞれ違うパンを食べてくれたことが最大の喜びでした。誰かが言ったおいしいでなく、自分のおいしいを好きなだけ食べるスタイルこそ自分の目指しているところだからです。

当日は藍さん(妻)と一緒に。

そしてワインとパンの会から1週間後の東京での研修でその「違和感」はなくなりました。研修先は代々木上原「カタネベーカリー」、今年で14周年だそうです。その前日にもパン屋が経営している製粉工場の見学や麦蒔きイベントにも参加し、どっぷりパンづけの日々を過ごすことができました。

カタネベーカリーさんとは今年の夏にスタッフの方がかまパンに研修に来てくれた事もあり、そこからの繫がりもあります。東京時代から噂は聞いており、パン業界にいれば知らない人はいないほどの人気店で東京で一番コスパが良い店で有名です。ここは朝3時から夜8時までパンを作り続けるというお店で、7時30分の開店からお客様は途切れることなく18時の閉店をむかえます。研修の自分はまだいいですがスタッフはすごいなーと感心していると「しんどくないわけないじゃないですか!」と言われました。やっぱりーと思いましたが、同じ夢や目標に頑張っている人に会って話をするのも刺激的でした。

片根大輔さん(カタネベーカリーにて)

ここで確信に変わったことは、片根シェフが口にしていた「普段使い」「自分の好きな物をつくる」「考えてることはお客さまにバレる」という、自分の想いがパンにのっかっているということ。パンを使って何を伝えたいかということが明確でした。

それは自分が神山のパン屋で何がしたいかというのと同じことだと感じました。

そもそもパンには役割があると考えています。なので、ヤ◯ザキやコンビニのパンも必要だし、個人のパン屋さんもそれぞれ役割が違う。日常で使ったり、お土産用でつかったり。

では自分の作るパンの役割は何なのか?

「自分の想いをパンに込めて地元のみなさんに届け続けること。」

そのためにもパンを作り続け、新しい可能性を見出していきたいと思います。

前回のワイン会のパンを売って欲しいと言われることが多く、とても嬉しく思います。が、自分のつくるパンの役割が見えるまで悩み続けたいと思います。

ただ好きなものをつくっておいしいは、かまパンではない気がする…。

そのパンが役割を果たすときはどうかみなさん、食べてみてやってください。

よろしくお願いします。

次回はどんなパンが並ぶのやら…

<告知>

ワインとパンの会 第2弾!!

12月14日(金)開催予定!!

詳細は改めてお伝え致します。次回もワインとパンをお楽しみください!!

この日誌を書いた人

笹川大輔

パン製造責任者
笹川大輔 (だいすけ)

パン製造責任者。東京都出身。2017年2月 妻子と神山に移住。18歳から東京のパン屋で修行し独立を考えている時にフードハブ・プロジェクトのことを知り参加を決意。食生活とトレーニング、休養が生活の基本だと考える。日々かまパンにて神山のパンを模索中。

その他の活動

前へ次へ 閉じる