神山分校生活科3年生が、すだちの木灰で「こんにゃく」を作りました!

つなぐ授業レポート里山の会食育

食育係の樋口です。今年度より、城西高等学校神山分校で社会人講師(農業)をしています。

「育てて作って食べる」を生徒たちと一緒に体験できないか、と担当教諭の細川先生と相談して進めているところですが、思った以上に楽しい!おいしい!おもしろい!!!

そんな「育てて作って食べる」シリーズの第1弾、こんにゃくづくりの様子をお伝えします。

昔ながらのこんにゃくづくり

えぐみ(アク)がとても強いこんにゃく芋。生の状態では毒性が強いとされ、間違って食べてしまったら大変です。そんなこんにゃく芋を茹でて固めて食べるということ、いつ誰が考えたんだろう…と、こんにゃくを作るたび、先人の知恵に思いを馳せてしまいます。

こんにゃく芋を凝固させるために、現在は炭酸ナトリウムや水酸化カルシウム(消石灰)が使われることが多いと聞きますが、昔は木や草の「灰」を使って作られていたそう。

せっかくやるなら「灰」を使ったこんにゃくづくりに挑戦したいと思い、「地産地食の学校」でこんにゃくづくりを教えていただいた神山町内の野菜生産グループ・里山の会の岡本さんをゲストティーチャーにお迎えし、教わることにしました。リサーチをしていると、

・そば殻の灰を使うと美味しくなる。

・みかんの木灰もいいかもしれない。

という情報もありましたがそれらの木を手に入れるのは難しく、神山町に豊富にある「すだちの木」でやってみてはどうだろう、という結論に行き着きました。

もちろんすだちの木灰でこんにゃくを作ったことがある人は身近にはいません。チャレンジです。

すだちの木灰をつくる。

学校の栽培圃場にあるすだちの剪定枝を集め、それを燃やしやすいように、先生や生徒たちが細かく切ってくれました。

すだちの木はトゲが多く、切る時にも指や腕にトゲが刺さって痛い思いをしながらの作業だったそうです(ありがとう)。

これを燃やします。暑い日だったので、汗をかきながら。

木が乾いていたのでよく燃えました。

後ろに見えているコンテナ13個分の木があっという間に灰になりました。

このあと、冷まして灰を集めて保管してくれたのは細川先生(感謝!)。

灰から灰汁(あく)をつくる。

木を燃やした翌週。燃え切ったすだちの木灰を、さらに細かい粉末に選り分けます。

ふるいにかけます。

そうしてできた「すだち木灰」は588g!

「たったこれだけ…」というのが正直な感想。

コンテナ13個分のすだちの木灰全部の量です。

この木灰に水を通して「灰汁」を作ります。

灰の上から水を通していきます。

誰もやったことのないこの作業。

やってみるものの、(わたしが聞いて知っていた)イメージと違う。

布の目が粗かったので、こしてもこしても透明にならず。

やってみなければわからない。

細川先生と生徒たちと、こうじゃないか、あぁしてみよう、などと話しているうちに、なんとか灰汁っぽいものが完成しました。

じゃじゃん!

すだちの木灰588gに対して水約3~3.5Lの灰汁が完成。

いよいよ、こんにゃくづくり。

灰汁を作った3日後、里山の会の岡本さんと、もう一人、阿部さんもかけつけてくださいました。こんにゃくづくりのベテランのお二人をお迎えし、こんにゃくづくりが始まります。

写真左:岡本英子さん 写真右:阿部節子さん

こんにゃく芋を初めてみるのは生徒たちだけではありません。先生方も初めてみた、と岡本さんや阿部さんにこんにゃくの作り方や芋の育て方を聞いていました。

これが、こんにゃく芋です。

秋口に収穫するというこんにゃく芋は、5月になり気温があがってくるとどうしてもいたみやすくなるんだそう。今回はギリギリのタイミングでこんにゃく芋を分けていただくことができました(よかった!)。

事前に茹でておいたこんにゃく芋。

こんにゃく芋は何等分かにカットし、皮ごと竹串が通るくらいまで茹でてから皮をむくとむきやすくなるらしい。

ミキサーで撹拌する。

みんなが準備した「灰汁」を約2倍に薄めて茹でたこんにゃく芋と一緒にミキサーに入れます。

茹でたこんにゃく芋と、灰汁を2倍に薄めた灰汁水を入れ、撹拌します。

ミキサーから出てきた「こんにゃくのもと」

よく混ぜる。

手でよく混ぜます。

混ぜるうちにだんだん触感が変わってくるらしく、生徒たちも面白がって混ぜていました。この時点で「水分量」を調整するんだそう。

形を整える。

程よいかたさに練ったら、次はこんにゃくの形に整えます。

岡本さん(左)と阿部さん(右)の手を見せてもらいます。つるっつるのぷるんぷるん。

「お碗」を型として使います。

生徒たちも数をこなすとどんどん上手になってきます。

「空気が入らんようにね」

「表面もツルツルにね」

アドバイスを聞きながら、色々な大きさのこんにゃくができてきました。形ができたこんにゃくは次々と鍋に入れて茹でていきます。

(茹ですぎる分には問題なし!)

みんなの作業風景が、なんとも愛らしく。理科の松田先生も応援に来てくれました!

「お湯に入れた時点で、割れることがある」と聞いていましたが…。

割れずに形をとどめているこんにゃくの姿を見て、細川先生もわたしも、岡本さんも阿部さんも、そして多分生徒たちも「成功した!」と喜びました。

すだちこんにゃく(←仮の名前)完成!

完成したこんにゃく。

すだちの木を準備し、トゲトゲに手を刺されながら枝を切り、燃やして灰にし、水でこして灰汁を作り、こんにゃく芋を茹でて皮をむき(岡本さんがやってくださいました)、灰汁と合わせてミキサーにかけ、よく混ぜ、形を整え、30分以上茹でる。

手間暇かけました。

ほんとうに、最後にちゃんと「こんにゃく」の姿になってよかった。

お味見。

狙ってもできない穴あきこんにゃく、貴重!

できたてのこんにゃくは、そのままでもおいしい。灰汁を全く感じることなく食べやすい風味。

ちょうどいいタイミングで教頭先生をはじめ職員室の先生方も見に来てくださったので、食べていただきました。

「ほんまにこんにゃくが作れるんやなぁ〜」

醤油、ゆず味噌と一緒に食べるのもおいしくて好評でした。

生徒たちの感想

  • こんにゃくを作ると聞いて、初めての経験なのでワクワクしていました。スダチの枝を燃やして、それを水で濾している時に、こんなので本当にこんにゃくが作れるのかとだいぶ疑っていました。こんにゃく芋を初めてみて、ミキサーにかけ、混ぜている時と形を作っている時、すごく楽しかったです。家でも作ってみたいなと少しだけ思いました。良い経験ができました。
  • こんにゃくは元々あまり食べないのですが、自分達で作ったこんにゃくはとてもおいしく何もつけなくても食べられました。みそとしょうゆをつけて食べたのですが、個人的にはしょうゆの方が好きです。家や他の場所で作る機会はなかったので、楽しかったです。
  • こんにゃく作り、楽しかったです。こねてる時の感触がすごく気持ちよかったです。おいしくできてよかったです。
  • ほんまにこんにゃくになるんかなーって思っとったけどきれいにできとった!しょうゆとみそで食べたらすごいおいしかったです。
  • こんにゃくを作ってこねたり湯がいたりして楽しかったです。弾力があり美味しかったです。こねるのが一番楽しかったです。
  • 初めてこんにゃくを作りました。丸めるところも楽しかったです。空気が入らないようにしないといけないのではじめにこんにゃくを取るときにまとめて取らないと空気が入るということを聞きました。こんにゃくを作る機会なんてないのでいい経験になりました。
  • 灰をこすときに灰を残すのか、のけるのかでわからなくて、こんにゃくになるんかなぁって思ったけど、ちゃんと形になったのでよかったです!
  • 新しいことにチャレンジして、いい経験になりました。また新しいことにもチャレンジしたいですね。おみそ、おいしい。こんにゃくを作るのがすごく楽しかったです。

「育てる、つくる、食べる」

今回使用したこんにゃく芋は、岡本さんが育てて収穫し、保管してくださっていたもの。

今後はできれば分校の畑で自分たちで育てたこんにゃく芋でこんにゃくづくりができるといいなぁ。そんな話を細川先生としていましたが、今回、なんと岡本さんからこんにゃく芋をいただくことができ、それをそのまま学校の畑に植えることになりました!

育てて使えるようになるまで2〜3年かかる、とされるこんにゃく芋。

近い将来、「分校内でこんにゃく芋を育て、生徒たちがすだちの木灰でこんにゃくをつくり、みんなでおいしく食べる」という時間が実現できるといいなぁと思っています。

まずは今回、岡本さん、阿部さんのご協力のもと「作って、食べる」ができたこと、感謝いたします。

ありがとうございました!

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この日誌を書いた人

樋口明日香

食育係
樋口明日香 (ひぐち あすか)

食育係/パン先生。徳島市出身。 神奈川県で小学校教員として働いたあと2016年に徳島に戻り、フードハブに入社。現在は、保育園児から高校生までの子どもたちの食と農の取り組みにかかわっている。一番好きな食べものは、みそ汁。

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