2018年5月20日(日)
神山でつなぐ・つながる 5年生の「お米プロジェクト」②種まき
Food Hub Project の食育授業の核となっているのが5年生の「もち米づくり」。20年以上前に、フードハブ農業指導長の白桃茂(しげ)が小学校の前の田んぼで「子どもたちのために」と始めた取り組みが、ずっとつながっています。
3年前にフードハブが設立され、同時にメンバーも小学校のもち米づくりに加わるようになり今年で3年目。今年度も5年生ともち米プロジェクトが始まりました。2回目は「種まき」の様子をお伝えします。
前回の「種の選別」の様子:①種の選別
「種まき」までの大事な作業
前回5年生の子どもたちと一緒に選別したもち米の種は、種まきに至るまで、いくつかの大事な工程を経ます。
まずは消毒。Food Hub Project つなぐ農園の方法にならい、ここでは消毒薬を使わず60℃のお湯で「消毒」する方法。消毒は、雑菌が繁殖しないようにしたり、種もみを病気から守ったりする役目があります。消毒時にお湯に入れているのは、5年生の子どもたちにも身近な存在である「お酢」。
お弁当を作るときには腐りにくくするためにご飯に少しお酢を入れたり梅干しを入れたりするのとよく似ています。
浸種(しんしゅ)
消毒が完了した種もみは、15℃の水に浸けて芽出しの準備をします。
温度によって浸ける日数は変わってくるようですが、今回は低めの温度設定で5日間、農業チームが管理をしてくれていました。
金魚の水槽のように種もみにも空気ポンプを入れているのは、発芽には空気(酸素)が必要だから。5年生の理科「発芽の条件」で今ちょうど「インゲンマメ」を例に学習しているところだそう。
学習したことと体験が結び付くと理解が深まる気がします。
この作業は、一斉に種もみを発芽させるために行います。からだの中に一定量水分を蓄えた種もみは、発芽の準備万端。いよいよ種まきです!
種まき(5月16日)
一人1トレーずつ種まきをします。トレーに赤土を入れ、水を含ませて種をまく。上から「覆土(ふくど)」をかぶせて完了です。
1トレーにつき、種もみ120gずつ。
1g=72粒
という結果が出ましたが、何度か量ってみると40粒、25粒、100粒超…と、かなりの誤差(スケールの最小単位が1gだったため)。平均して約40粒ということで、一体1トレーに何粒種もみを蒔いたのか、計算してみることにします。
1g=(約)40粒
40粒 × 120g =4,800粒
一人あたり約4,800粒の種もみを蒔いたことになります。これ、収穫時にはお茶碗何杯分になるんだろう。(成長過程でおこる「分げつ」の様子によって変わってくる、という話をこのあと聞くことができました。)
トレーに土を平らになるよう入れます。あっという間に土を平らにしてくれるこの便利な道具は、茂さんの手作り!
一つひとつの作業に知恵と工夫がいっぱいです。
病気が見つかった稲を見せてもらいました。実は茂さんより先に白桃が見つけたそう。お父さんである茂さんから、白桃への「安心して任せられる!」のような気持ちがビシビシと伝わってきて、親子のいい風景を見たなぁとあたたかい気持ちに包まれる一コマでした。
質問タイム
みんなのもち米、次の田植えまで順調に育ちますように!
ボランティア・新居さんの気持ち。
今回、ボランティアとして準備や片付け、そして授業中もたくさんフォローしてくれた新居さんの感想をご紹介します。
子ども達と一緒に、学ぶ側の気持ちで臨んだ今回。種まきについて、知る前までは疑問にすら思っていなかった数々を知る事ができました。
陽の下で、種や土の香りや手ざわりを感じながら行う作業は、大人の私でもワクワクしたものです。
種まきを終えた後、ある子が”6時間目までやりたい”と言っていたのが印象的でした。
今回は子ども達とお話しできた時間が少なかったので、次回からはもっと子ども達との距離を縮められたらなと。みんながリラックスして、その瞬間瞬間に芽生えた気持ちを自由に表現できるような空間づくりを意識したいです。
体験が体感として子ども達の中に刻まれるように、一緒に全力で楽しんでいこうと思います。
活動に一緒に参加してもらえてとてもよかったです。次回もご一緒できること、楽しみにしています!
このあと、かま屋で「まかない」を食べながら、今回の感想や食育の話、フードハブのこれからの話をしました。応援団が増えた感じですごくうれしい。
食育チームでは、このような食育活動を応援して一緒に取り組んでくれるボランティアを引き続き募集しています。
大学生に限らず一般の方も大歓迎!詳細は下記サイトでご覧いただけます。