Chef in Residence Program
小さな食料政策。
料理人の可能性を社会にひらく。

Chef in Residence

アーティストがもたらす可能性

今回、Food Hub Project が、シェフ(料理人)をアーティストと捉え、Chef in Residence (CIR)のプログラムを開始します。 

神山では、アーティスト・イン・レジデンスのプログラムが、今年で20周年を迎えます。

これは毎年、海外から2名、国内から1名、合計3名のアーティストを招聘し、神山に約半年間滞在し、地域の人たちと関わりながら作品をつくり、残していくという活動です。

アーティストは、私たちが普段の生活では見過ごしてしまうような「地域の価値」に新たな光を照らしてくれます。また、神山では、20年の時間をかけ多くの物事を作り出し、地域に作品だけでなく、様々な関係性を築き、残していっています。

CIRという新たな取組は、料理人によって、地域の新たな可能性を見出すことを目指します。

「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)」

ソーシャリー・エンゲイジド・アートは、アーティストが現実の世界に積極的に関わり、参加・対話のプロセスを通じて、人々の日常から既存の社会制度にいたるまで、何らかの「変革」をもたらすことを目的としたアーティストの活動を総称するものです。(SEAリサーチラボより)

3.11以降、国家レベルにおいて食の安全性がゆらぎ、東京一極集中によって地域社会が衰退し、土地の文化やコミュニティーが喪失していくなかで、料理人がアーティストとして、この社会変革に加わっていくことが不可欠なのではないか。また、食に対する政治的な議論は、大量生産、大量消費の市場主導の大規模なシステムの社会問題として語られることが多いが、一方で、その大規模なシステムから自由な存在としての「料理人」は、そのシステムに回収(搾取)されることなく、地域の生産者と生活者と共に社会変革をもたらすことができるのではないか。

私たちフードハブが、料理人のアーティストとしての可能性を引き出す「実験的な場所」として機能できないかと考え、このプログラムの設立に至りました。

「Small Food Politics|小さな食料政策」

プログラムのメインテーマは、「Small Food Politics(スモール・フード・ポリティクス)|小さな食料政策」です。

そもそも、「フード・ポリティクスとは、食品の生産、制御、規制、品質、配給などへの政治的な見地。民族、文化、医療に関する論争に加え、適切な農業、畜産業、小売業の方針と規制に関する環境論争に影響を及ぼす。」という意味があります。wikipedia より)

こう書いてしまうと顔が見えない、規模の大きな、自分には関係のない物事のように聞こえてしまうかもしれませんが、このフード・ポリティクスは、実は、毎日のことで、みんなのことです。

「食料政策」や「食糧危機」という言葉には量的な議論に向かう傾向がありますが、「食料政策」は量でなく、食をめぐる地域の文化全体の話だと私たちは捉えています。

農業の会社 フードハブ・プロジェクトが活動する神山町は、人口約5,500人の、自然豊かな中山間地域です。しかし人口減少を背景に農業従事者の平均年齢は70歳を超え、新たな就農者を受け入れていかなければ、田畑は荒れ、地域の食文化も失われていく一方です。

そのような状況下で、私たちは「地産地食|Farm Local, Eat Local.」を掲げ、地域の農業を次の世代につなぐために、農業者と料理人と共に活動を始めています。

この小さな町の規模までギュッとスケールダウンし、地域における「スモール・フード・ポリティクス(小さな食料政策)」について、グローバルな視点とローカルな視点をかけ合わせ、料理人たちと季節ごとに、アーティスティックかつ、美味しく、一緒に取り組んでいきたい。 

滞在するシェフは、この「小さな食料政策」を活動テーマに、一定期間(数週間〜数ヶ月)神山に滞在し、郷土料理などを地域の人たちから学び、食にまつわるつくり手を訪ね、地域の食の状況を肌身で感じ、料理人ならではの感性を総動員しながら、調理を軸にしたリサーチを展開することになります。

滞在期間中に、地域の季節の食材を活かした「メニュー」や「加工品」を地域との関係性を継続していける「作品」として残し、最終的な成果発表をむかえる、といったプログラムを想定しています。ご期待ください。

【招聘シェフ】

David  Gould/New York

滞在期間:2018年3月20日〜 (未定)

Hay Hello Lunch @かま屋(自己紹介ランチ)
TBD(未定):4月XX日 

 “小さな食料政策” 晩餐会 @かま屋
TBD(未定):X月XX日(X)

※ビュッフェ形式のディナー会になります。

Born in White Plains, NY, David Gould began cooking in local kitchens at the age of 19.  Upon completion of a 9 month culinary program at the Napa Valley Cooking School in California, he took his first job in New York City at the Gramercy Tavern.  Soon afterwards, in hopes to get closer to the more fundamental and pure aspects of the craft he took a job with Chef Caroline Fidanza at Marlow and Sons, in Brooklyn.  It was here that he began to learn the importance of seeking and supporting local communities of producers.  After four years, including time spent as co-chef of Marlow and Sons and Diner, he opened Romans with Andrew Tarlow.  There he spent eight years cooking Italian food inspired and informed by seasonal produce and sustainably raised meats.  Along the way continuing to foster strong bonds with farmers and producers throughout the northeast and Italy.

 

——————————滞在終了——————————

川本真理/長野

滞在期間:2018年1月8日(月)〜2月12日(月)

はじめましてランチ@かま屋(自己紹介ランチ)
1月28日(日)11:00〜なくなり次第終了

“小さな食料政策” 晩餐会 @かま屋
2月10日(土)18:00〜(40名限定・要予約)

※ビュッフェ形式のディナー会になります。

東京のビーガンカフェ、鎌倉のオーガニックレストランの厨房で働いた後、イタリアで3年間料理を学ぶ。その土地の農業や産物、郷土料理を大切にするイタリア発祥のスローフード運動の取り組みや食育のプログラムを行うレストラン、アグリツーリズモの厨房で働く。特に長く暮らした北イタリアでは野草や花を使った料理が興味深く、季節や土地をダイレクトに感じる。春から長野に移住し、土地の料理や自然、生産者さんと出会い、暮らしと料理を実践予定。ピアノ弾きと作曲の仕事やライブ、映画音楽製作等も。

Danny Newberg /New York

滞在期間:2018年1月26日(金)〜2月12日(日)

“小さな食料政策” 晩餐会 @かま屋
2月11日(日)18:00〜(40名限定・要予約)

※ビュッフェ形式のディナー会になります。

 

アメリカ合衆国フロリダ州セイントピーターズバーグ出身。米国French Culinary Instituteを卒業後、ニューヨークのMomofuku Koにて2年勤務。その後、新天地開拓のため、東南アジアを食べ歩き、ベトナムやタイのレストランで働く。帰国後、 Cabane a Sucre Au Pied de Cochon(モントリオール市カナダ)、Isa(ニューヨーク)で働いた後、estela(ニューヨーク)の副料理長に就任。その後、2015年にjoint ventureを共同設立。

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この日誌を書いた人

真鍋 太一

FHP支配人
真鍋 太一 (まなべたいち)

支配人(COO)愛媛県出身。2014年3月より妻子と神山町に移住。2015年度の地方創生ワーキンググループの検討会で農業長の白桃と出会い、フードハブ・プロジェクトの立ち上げに至る。社会とつながり「暮らすように働く」ことを企業の価値づくりに役立てるべく家族と友人たちを実験台に検証中。神山町にサテライトオフィスを構えるモノサス プロデュース部の部長も務める。

その他の活動

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