<参加者募集!>
カミヤマ・カンパニオ PROJECT
皆で分かち合うパン

パン・ド・カンパーニュというパンをご存知ですか?

「カンパーニュ」は、フランス語で「田舎パン」あるいは「田舎風パン」を意味し、粉・塩・水だけで作られ、お料理などと一緒に食べる食事用のパンです。カンパーニュの語源は、「カンパニオ」という言葉で「パンを分け合う人々」や「仲間」を意味するそうです。

今回、神山の名のない小麦を自分たちで育て復活させ、その小麦を一部使用した「カミヤマ・カンパーニュ」というパンを焼き、販売を開始します。

販売方法は『カミヤマ・カンパニオ PROJECT』に賛同し、応援していただける方々に対して、食べる人たちが好きな値段をつける。皆で分かち合うためのパンなので、今年は、「オープン価格」で限定的に販売したいと思っています。

「カミヤマ・カンパーニュ」は、私たちにとって特別なパンです。
その理由を、説明したいと思います。

1. 神山の名のない小麦の復活

今年、神山で試行錯誤しながら育てた小麦

今年、農業長の白桃の実家で70年以上受け継がれている名前がない小麦を自社の「つなぐ農園」で、農薬・化学肥料不使用で栽培し、復活させました。その土地で受け受け継がれてきた種だからか他品種の小麦よりもとても生育が良いことも分かりました。

農薬・化学肥料を使用せず、ほぼ放置状態ですくすく育った自宅の畑での神山の小麦。子供たちと手刈りで収穫。

また昨年、実験的に私の自宅の畑でも、農薬・化学肥料を一切使わず、ほぼ放置状態でこの小麦を育てています。比較的、手間もかからず容易に育てられることもわかりました。

2017年の収穫量はわずか200kg。

今年収穫した小麦の種を元に、地域の方々に協力してもらい、来年は、みんなで更に多くの小麦を育て、パンを作り、また、みんなで分かち合うような活動に発展していけたらとと思っています。農業者の高齢化により耕作放棄地が増えていく神山で、みんなで小麦を育てることで、実りを実感できる風景を次の世代につなげていくことを目標にしています。

そんな神山の名もない小麦を全粒粉で20%使用したパンが「カミヤマ・カンパニオ」で(その他80%は、香川産、北海道産などの小麦をブレンドして使用)、また現在、その小麦を100%全粒粉で使用した、通称「カミヤマ100」というパンも準備中です。

2. 眠っていた石臼製粉機の復活

(有)川口鉄工所の川口さんと復活後の石臼製粉マシン。

復活以前は、錆止めの色で塗装され、鉄の部分はサビだらけ、ブリキ部分はガタガタだった。ブリキや錆びた部分は、ステンレスを削り出したり、曲げたり、溶接したりでアプデート。細部へのこだわり満載(素人目には全くわからないw)に満足げな川口さん。

かつて和菓子屋さんで使われていたという年代物の石臼製粉機が、徳島にあるリサイクルショップ「RECYCLE-WEB」さんの倉庫に眠っていました。当初、倉庫で見た時は、ボロボロすぎて「また色々お金がかかりそう」とひよっていた私でしたが、かまパンの開発担当の塩見くんの「連れて帰りましょう」の一言と、RECYCLE-WEB代表の矢田さんのご厚意によりその製粉機を譲り受けてきてしまいました。

正直、譲り受けたは良いものの先行きは不透明な状態でした。そこで、復活させたいことをFacebookに投稿。

すると以前、フードハブの食堂の鉄物の製作でお世話になっていた(有)川口鉄工所の川口さんから「お手伝いできるかも!?」とコメントをもらい、トントン拍子で支援者が見つかり、それもかなり機能をバージョンアップ形で復活できることになったのです!

特に全粒粉で小麦を挽く場合は、低速でゆっくり回転する石臼は、余分な熱が加わらず、小麦の風味が損なわれないそうです。全国のパン屋でも自社で石臼で小麦を挽いているところは数少ないと言われています。この復活させた石臼製粉機を活用し、「カミヤマ・カンパーニュ」を焼いてきます。

3. 地域を分かち合うパン。
神山のパンを育てる、つくる、食べる、つなぐ。

みんなで分かち合うために大きめのサイズで焼かれたカミヤマ・カンパーニュ。

何度も試行錯誤を繰り返す、パン開発担当の塩見くん。

神山で受け継がれきた名もない小麦を育て、ボロボロの石臼製粉機も復活させて、小麦を全粒で粉にし、その小麦粉を20%使用した、パン・ド・カンパーニュが、「カミヤマ・カンパーニュ」です。

カミヤマ・カンパーニュは、東京 富ヶ谷にある天然酵母の老舗パン屋「ルヴァン」の元製造責任者の塩見さんが開発しています。彼は、このパンは「地域のパン」だと言います。

自分が焼きたいパンのために、それに適した小麦などの食材を集めるのではなく、地域で受け継がれている名もない小麦や、神山で培養する発酵種に合わせて、自分が持つ経験と技術を注ぎ込み、この土地、神山でしか焼けないパンが「地域のパン」だと。

今年は、焼ける数に限りがあります。

そんな中で、どうやってみなさんに食べていただくかを考えました。

カンパーニュの語源「カンパニオ|みんなで分かち合って食べる」という言葉がしめすように、フードハブ・プロジェクトという私たちの活動に共感し、応援していただける方々に、このパンを食べて、活動を支えてもらいたいと思っています。

なので「オープン価格」にします。

4. オープン価格の意味

今年は「カミヤマ・カンパーニュ」を値段をつけないで販売します。
なぜなら、このパンを世の中に出すために、多くのつくり手がかけた労力や時間や想いをお金に換算すると「適正な価格」というのは、正直よくわからないからです。

食べ物の価格は、どんどん安くなっていく一方です。また買う側もそれを過剰に求めているように感じます。

この時代の「食」における「分かち合う」ことの意味は、なんでしょうか?育てる人、つくる人、食べる人、つなぐ人がどう分かち合っていけるのか。

このパンの価格は、オープンにして、みなさんにお任せしたいと思います。フードハブ・プロジェクトの活動に興味をもっていただき、応援してくれる人たちに届け、食べて、適正な価格を判断してもらえたらと考えています。

神山の『かまパン&ストア』では、不定期・週末限定で、大きなカンパーニュを切り分けて、数量限定で、みなさんにご提供します。箱を置いておくので、お好きな金額をその箱に入れてください。

神山に来ることができない方々は、フードハブのホームページの「カミヤマ・カンパニオ PROJECT 参加お申込みフォーム」から「なぜ、カミヤマ・カンパーニュを食べてみたいのか?」という質問にお答えいただき、お申込みください。

後日、「カミヤマ・カンパニオ」と神山の小麦を100%使用した「カミヤマ100」を、送料着払いでお送りします。価格は「オープン価格」なので、同封されている振込先に、後日、好きな金額をお振込ください。

なるべく多くの方々にお届けしたいのですが、数に限りがあります。お申込みいただいても、お届けできないかもしれません。お申込みの際に書いていただく、「食べたい理由」をフードハブの、つくり手たちと読ませていただき、みんなで話し合って、より多くの方々にお届け出来たらと思っています。

このパンで集まったみなさんのオープンな「意志」(=売上)は、来年、更にこの小麦を育て「カミヤマ・カンパニオ」を増やしていく活動に使っていこうと考えています。また、美味しいと思っていただき、フードハブの活動に関わり続けたいと思っていただいた方々へのパンの定期購入も準備でき次第はじめていきます。

最後に. PROJECTの参加者募集
みんなのオープンな「意志」を活かす活動

正直言って、フードハブ・プロジェクトの活動は順風満帆ではありません。順調に問題だらけで進んでいます。でも、前向きに、明るく、オープンに進めていきます。

神山の農業を食べて支える。

ぜひとも、「カミヤマ・カンパニオ PROJECT」に参加してください。「カミヤマ・カンパーニュ」を食べていただき、集まったみなさんのオープンな「意志」を活かして、今後の活動につなげていきます。

#小麦を育て、地域の風景をつなぐ

中山間地域の神山では、農業の高齢化から耕作放棄地は年々増え続けています。来年は、この小麦の種を地域の農業に興味がある人たちに配り、みんなで小麦を育てることで、耕作放棄地の増加を食い止めていけたらと考えています。「地産地食」。地域で育てて地域で食べるということを当り前にしていく。そのための活動資金に当てていきます。

#製粉小屋を立てる

現在、製粉機が大きすぎて予定していた場所に入らず置く場所がありませんw。みなさんにも製粉の様子を見てもらえるような小屋を、神山の木材や廃材を使って建てたいと思っています。

#小麦の選別機の購入

現在、パン職人が小麦収穫の際に含まれた小石などをひとつひとつ手で取り除いています。職人がパンを作ることに時間をかけ、集中できるよう、中古の選別機を購入したいと思ってます。

<お申込みは、こちらから>

この日誌を書いた人

真鍋 太一

FHP支配人
真鍋 太一 (まなべたいち)

支配人(COO)愛媛県出身。2014年3月より妻子と神山町に移住。2015年度の地方創生ワーキンググループの検討会で農業長の白桃と出会い、フードハブ・プロジェクトの立ち上げに至る。社会とつながり「暮らすように働く」ことを企業の価値づくりに役立てるべく家族と友人たちを実験台に検証中。神山町にサテライトオフィスをかまえる広告制作会社 ㈱ モノサス デザイン係、東京 神田にあるレストラン「the Blind Donkey」の支配人も務める。

その他の活動

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